北野武、竹中直人を見出した名プロデューサーに発掘された久保田将至って?
映画『真幸くあらば』に出演している久保田将至に、作品やプライベートについて話を聞いた。ファッションモデルとして活躍するかたわら、俳優として映画やテレビドラマにも精力的に出演する久保田だが、映画初主演にして死刑囚役となる本作に、どのような意気込みを持って臨んだのだろうか。
映画『真幸くあらば』は北野武、竹中直人など、これまで多くの才能を見出し、監督に抜てきしてきた奥山和由のプロデュース作品。久保田の存在感に惹(ひ)かれたという奥山が、彼を主演俳優に据えることで企画が形を成していった。ただし、久保田演じる主人公の青年・南木野淳は、衝動的にカップルを殺害し、死刑を宣告されたという難役。久保田自身、「身近なキャラクターとは言えないですよね」と役柄の衝撃性を認めている。
その一方、「心の奥底で通じる部分と言うか、本質的な人間らしさや弱さはわかると思いました」とも語り、自らが演じた青年に理解を見せる久保田。撮影中は役に成り切り、プライベートでもなかなか役から抜け出せなかったという。そのかいあってか、独居房で一人うつうつとした日々を送る姿があまりにもリアルになったため、本編を観た身内からは「いたたまれない気持ちになった」と教えてくれた。
劇中では、そんな彼と尾野真千子演じる女性の純愛ストーリーも進行。絵心のある淳が独居房で、彼女の絵を熱心に描くシーンが印象的だ。実は、自身も美術大学を卒業し、美術の教員免許を持っているという。撮影時は、彼の絵の才能が大いに役立ったそうだ。ちなみに、女性のどこに目が行くかを聞いた際、「大学時代に女性モデルさんの絵を描いていたりもしたので、女性の柔らかなフォルムに目が行きます。男性にはない手のしなやかさとか、髪のサラサラ加減とか」とその経歴を思えば納得の女性観を告白する一幕も。本作の熱演でファン急増の予感を漂わせる彼だけに、聞き逃せない一言となりそうだ。
映画『真幸くあらば』は2010年1月9日より新宿バルト9ほか全国順次公開