あの寅さんがCMで帰ってくる!山田洋次監督作『男はつらいよ』から『おとうと』へバトンを渡す
山田洋次監督の描く姉と弟の感動物語、映画『おとうと』が2010年1月30日の公開を控え、同映画と映画『寅さん』とのコラボCMが年末から放映され、寅さんが日本の正月のお茶の間に帰ってくることがわかった。このコラボは、映画『男はつらいよ』が、兄・寅さんと妹・さくらの物語であることから、『おとうと』も東京で堅実に生きてきた姉と、大阪で自由気ままに生きる弟の物語で、山田洋次監督が描く“家族”に寄り添い、明日への希望を描く感動作という共通点と、同じ松竹の配給だということから実現したもの。
配給の松竹によると、過去、パイオニア、サントリーなどで寅さんの世界観を使用したタイアップ宣伝の実施実績はあるが、意外にも寅さんがほかの映画の宣伝に一役買うというのは、初めてだという。まさに同じ松竹映画だからこそ実現できた企画といえる。
CMは、最初に寅さんが土手を歩いて来る。のれんの向こうから、倍賞千恵子演じるさくらが「お兄ちゃんおかえり」とにっこり顔で、渥美清演じる寅さんの「よっ」がアップに……。これだけで寅さんファンには感涙もの。次のカットで「『男はつらいよ』から『おとうと』へ」と、ナレーションとテロップが入り、今度は『おとうと』の鉄郎役の鶴瓶の「お姉ちゃん!」が入り、吉永小百合演じる吟子とのシーンが映し出され、「山田洋次監督が描く、もうひとつの姉弟(きょうだい)の物語」とのナレーションが入る15秒の尺の映像。寅さんファン、山田洋次作品ファンは、もちろんのこと観るだけでほっこり心が温まるCMになっている。
なお、CMは2009年12月28日より放映されるが、ネットでもYahoo!『おとうと』オフィシャルチャンネルで映像を観ることができる。
映画『おとうと』は、夫を亡くした吟子(吉永小百合)が、東京のある商店街にある薬局を女手一つで切り盛りしながら娘の小春(蒼井優)を育て、義母の絹代(加藤治子)と3人で暮らしているというところからはじまる。やがて、小春の結婚が決まり、結婚式当日を迎えるが、吟子の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が紋付はかまで大阪から現われ、披露宴を酔っ払って台なしにしてしまい、この破天荒な弟と家族の物語が思わぬ方向へ展開する。
映画『おとうと』は2010年1月30日より全国公開