ベルリン映画祭は逮捕に猛抗議!イランの現状を映画にしたパナヒ監督、作品が反体制と逮捕
ベルリン国際映画祭から、イランの映画監督ジャファル・パナヒ逮捕に対する声明が発表された。パナヒ監督は、今回の同映画祭で「イランの映画」と題されたパネルディスカッションに参加予定だったが、出国許可が下りず不参加。この3月に入り、逮捕が報じられていた。
パナヒ監督は2006年に映画『オフサイド・ガールズ』で同映画祭銀熊賞、2000年に映画『チャドルと生きる』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、1995年の映画『白い風船』はカンヌ国際映画祭でのカメラドールのほか、東京国際映画祭でも東京ゴールド賞・都知事賞を受賞するなど、イランの現状を背景とした作品群で世界的に認められていた反面、イラン国内では反体制派という見方もされていた。
現地時間1日夜、家族やゲストなどと自宅にいたところを逮捕されたことがパナヒ監督の息子によって伝えられているが、イランの公的なメディアで、そのニュースは報じられていない。「ベルリン国際映画祭はイラン人監督ジャファル・パナヒ逮捕に抗議する」と始まる声明の中で、映画祭ディレクターのディーター・コスリックは「世界的な賞を獲得してきた監督が、その作品のために逮捕されたことを憂慮する」と述べている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)