祖父も両親も巨匠!サラブレッド女優は5歳から脚本を読んでいた!
映画『欲望という名の電車』の監督エリア・カザンを祖父に持ち、父は映画『悪魔を憐れむ歌』の脚本家ニコラス・カザン、そして母は映画『SAYURI』の脚本家ロビン・スウィコードという家系のゾーイ・カザンが、新作映画『The Exploding Girl』(原題)について語ってくれた。本作は、てんかん持ちの女子大生アイビー(ゾーイ)のひと夏の恋を描いた作品で、昨年のトライベッカ映画祭では見事ゾーイが主演女優賞を受賞した。
「わたしが本を読めるようになったのと同時に、両親は自分たちが書いている脚本を読ませてくれたわ。それが演技に興味を持ち始めたきっかけかもしれない。でもわたしに一番の影響を与えたのは祖父のエリアよ。個人的なアドバイスを受けたことはなかったけれど、彼の作品から自然に演じることを学んだわ」とゾーイ。ちなみに初めて脚本を読んだのは5歳のときらしい。
てんかんを持った女性を演じるにあたり、てんかんという病気を徹底的に調べ演技に反映させたという。「てんかんを患っている子どもを持つ親向けの本をたくさん読んだわ。そして実際に発作を起こしている医療用の映像も観たの。それでも不安だったからボーイフレンドの前で実際に演じたら、『冗談でも二度とやるな!』って怒られたわ」と迫真の演技だったことを明かす。
メジャー、インディペンデントを問わず幅広い作品に出演しているゾーイ。「大作映画を観ることも、出ることも好きだけど、わたしにはインディペンデント系映画が向いている気がする。大学での専攻は演劇だったし、それに両親から共同で製作する大切さを教え込まれたからだと思う」と意外な返答が。作品ごとに、個性的な演技を見せてくれるゾーイは、今後注目すべき女優の一人といえるだろう。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)