体重150キロのシンデレラガール、ガボちゃんに直撃インタビュー!ポジティブパワーの秘密は……?
映画『プレシャス』での演技がオスカーにノミネートされて注目を集めている新人女優ガボレイ・シディベが来日し、ナチュラルな演技の秘けつや映画の魅力について語ってくれた。
本作は父親から性的虐待を、母親からは暴力を受け続けて育ち、自分を無価値だと信じ込んでいた16歳の少女プレシャスの成長物語。ある教師との出会いで自分を愛することを学び、前向きにたくましく変化していく様が胸を打つ感動作だ。オーディションで発掘されたヒロイン・プレシャス役のガボレイはそれまでまったく演技の経験がないにもかかわらず、本作で生々しいほどのリアルな演技を披露。今年の第82回アカデミー賞主演女優賞に見事ノミネートされ、一躍注目を集めたシンデレラガールだ。
「女優志望でもなかったわたしが、映画に出演してアカデミー賞にノミネートされるなんて……本当に驚きよ!」と自分の運命を不思議そうに語るガボレイ。なぜあれほどまで自然に役に成り切れたのか聞いてみると「実際、プレシャスのような人は本当にたくさん存在しているのよ。撮影中は、そういう人たちと接したときのことを思い浮かべながら演じていたわ」とリアルな演技の秘けつを明かしてくれた。
また、本作はアメリカ国内のみならず、海外の映画祭でもさまざまな賞を獲得している。世界中で支持されている理由について「この映画は周りに無視されて、尊重してもらえない女の子の物語。大抵の人間は似たような経験をしたことがあるはず。つまり、観客はヒロインを見ると、同じような虐待を受けたことがないとしても、過去に自分が感じた疎外感を喚起させられるのでは。そういった普遍的な感情がこの映画にあるからこそ、国を問わず受け入れられるのかも」と分析した。
劇中でプレシャスは知識を身に付けることで自信を持ち、困難を乗り越えていく。ガボレイ自身、人生で困難に直面した際はどのように乗り越えてきたのだろうか? 「何かつらいことがあったときは『これも経験。いずれもっと強くなって、あとで笑って振り返る日がくる』と思うようにしているの!」と笑顔で語り、前向きな性格をうかがわせた。そしてこれから映画を観る日本人へ向けて「希望やユーモアもたくさんある作品よ。楽しんでほしいわ!」とメッセージを送ってくれた。ガボレイ演じるプレシャスのけなげに生きる姿は、人間はどんな逆境でも乗り越えられることを教えてくれる。ぜひスクリーンでそのポジティブなパワーを体感してほしい。
映画『プレシャス』は4月24日よりTOHOシネマズシャンテ、シネマライズほか全国公開