最終章を迎えた『のだめ』にまたもや首位の壁!4・17の激戦区を制したのはジョニー・デップの『アリス』
映画週末興行成績
興行関係者の間では、4月17日という日程が、強力な作品が相次いで公開されるハイレベルな激戦区だとささやかれてきた。今週のランキングは、その言葉を裏付けるように、上位に初登場した新作4作品がハイレベルなチャート争いを展開している。
しかし、このハイレベルなチャート争いの中で、一歩も二歩も飛び出し、断トツの1位獲得となったのはティム・バートン監督とジョニー・デップ7度目のタッグとなった映画『アリス・イン・ワンダーランド』だった。全国855スクリーン(3D:459スクリーン、2D:396スクリーン)で公開され、初日2日間成績は動員82万8,149人、興収13億1,653万9,200円となった。今回の興行の特色として、興収の81%が3D上映だったということが挙げられる。しかもこのうち54.5%が日本語吹替版という内訳。配給元のディズニーでは、最終興収で150億円も狙えると鼻息も荒く、今後の成績に期待が高まる。
続いて2位は劇場版14作目となった映画『名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)』。全国352スクリーンで公開され、初日2日間の成績は動員47万1,527人、興収5億6,198万5,100円と、相変わらずの強さを見せつけた。昨年に公開され、シリーズ史上最高成績となる興収35億円を記録した前作の『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』との興収対比は94.7%というハイペースの興行となっている。
3位には、日本にクラッシクブームを巻き起こし、劇場版2部作の後編にしてシリーズ完結となる映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』が登場。全国410スクリーンでの初日2日間成績は動員43万7,613人、興収5億6,307万5,250円。興収40億円をあげた前作との興収対比は142.6%となり、前後編併せて興収100億円を目指す大ヒットスタートを切った。前作は映画『アバター』の壁に阻まれ、最高位2位をキープし続けるという不遇な結果に終わったが、今回も『アリス・イン・ワンダーランド』を筆頭にライバルは数多い。悲願の1位奪還となるか、今後のチャートの成り行きに注目したい。
4位はシリーズ18作目『クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』。全国325スクリーンでの初日2日間の成績は動員23万8,831人、興収2億7,086万8,100円。興収10億円を記録した前作の『クレヨンしんちゃん オタケべ!カスカベ野生王国』との興収対比は162.2%となった。
先週、首位初登場となった映画『シャッター アイランド』は5位に4ランクダウン。続いて6位『第9地区』、7位『ダーリンは外国人』がそれぞれ4ランクダウンという結果になっている。そして先週の9位から8位へと、今週、唯一ランクアップを果たしたのは、宮崎あおい主演の映画『ソラニン』。全国のスクリーン数は他作品に比べてそれほど多くないものの、女性客を中心に集客を果たし、根強い人気を見せている。
9位は『映画 プリキュアオールスターズDX(デラックス)2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』。公開7週目となる『映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』は10位とベストテン圏内に踏みとどまっている。そして11位は『シャーロック・ホームズ』という結果になった。
今週末も『タイタンの戦い』『ウルフマン』『劇場版銀魂 新訳紅桜篇』『てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~』と話題作が続々と公開されるなど、ゴールデンウイークを目前に話題作が勢ぞろい。先の読めないチャートに注目が集まる。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)