日本の漫画は、日本人の奥ゆかしさとページ単価の産物!「漫画先進国日本」についてイギリスで大討論会
ロンドン開催された映画祭SCI-FI-LONDONで、イギリスの女性漫画家による討論会が行われた。SFやアニメ作品が主な本映画祭と、オタク的な趣味を持つ女子の会ロンドン・ギーク・ガール・ディナーズの共催イベントとして行われたもの。
参加のイギリス女性漫画家は、若手のケイト・ブラウンに、ベテランのカレン・ルーべンスとエマ・ビシェリの3人。桜沢エリカのファンだと言うブラウン、日本の妖怪からヒントを得たコミックも描いているルーべンス、日本的な絵柄のビシェリと、それぞれ日本の漫画には一家言ある面々だ。
少女漫画からレディス・コミックまで、女子による女子のためのコミックが確立した分野となっている日本のような情況は、イギリスにはない。ゲストのみならず会場に集まったファンも漫画先進国日本についての知識は豊富で、「ショージョ・マンガ」「ショーネン・マンガ」など日本語が飛び交った。
丹念な感情表現をする日本の漫画を「日本人は奥ゆかしく、あまり感情を表さない分、紙の上では多く表現するんじゃないかしら。それに、アメリカン・コミックはツルツルの紙にカラーだけど、マンガは基本的に安くて使い捨てできる紙に白黒だから、表情の表現もいろいろできるということもあるかも」とビシェリが分析するなど、独自の見解に、終了時間となってもファンから質問の声があがる盛況となった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)