映画界の著名人がイラン人監督の釈放の嘆願書を作成、イラン政府との交渉を図る!
3月1日にイランの治安当局に逮捕され、現在も拘束されたままのイラン人監督ジャファル・パナヒの釈放を求めて、映画界の著名人たちが嘆願書にサインをし、イラン政府に掛け合おうとしていることがわかった。
パナヒ監督は3月1日の夜、テヘランの自宅で友人と共に私的な会合を開いていたところ、治安当局の捜索を受け、友人と共に逮捕された。この逮捕の理由についてテヘランの州検事長は、「政治的な理由の逮捕ではない」とコメントしたが、パナヒ監督は現大統領のマフムード・アフマディーネジャード政権に批判的で、反政府デモの犠牲者追悼集会に参加し、拘束された経験もあった。また、2月にはパスポートを没収され、ベルリン国際映画祭に参加することができなかった。
この一連の不条理な逮捕劇に業を煮やした映画界の著名人たちが、パナヒ監督の釈放を要求する嘆願書を作成し、イラン政府との交渉を図っている。今回、この嘆願書にサインをしたのは、ロバート・レッドフォード、スティーヴン・スピルバーグ、フランシス・フォード・コッポラ、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、ジョエル&イーサン・コーエン、アン・リー、マイケル・ムーア、テレンス・マリック、オリヴァー・ストーンといったそうそうたる顔ぶれだという。
またその嘆願書には、他の世界中のアーティストたちと同じように、イラン人映画監督も称賛すべきであり、決して検閲や抑圧を受けたり、あるいは監獄に入れられることがあってはならないと記されているそうだ。
イランでは、パナヒ監督の作品がここ10年上映禁止にされており、パナヒ監督は前作の映画『オフサイド・ガールズ』以来4年以上映画の製作ができていない状態だ。
パナヒ監督は、映画『白い風船』でカンヌ国際映画祭カメラドール、映画『チャドルと生きる』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、映画『オフサイド・ガールズ』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞している世界的に高い評価を受けてきた監督。今回、映画界の著名人たちが嘆願書を作成したことによって、イラン政府の動きに注目が集まること必至だ。