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『アバター』ヒットの裏側!毎日作業をしても、1か月に10分間の映像しかできない!続編もありと編集者が明かす

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左からジョン・ルフーア、スティーヴン・E・リフキン
左からジョン・ルフーア、スティーヴン・E・リフキン - Photo:Nobuhiro Hosoki

 空前絶後の映像を繰り広げた映画『アバター』の編集に、ジェームズ・キャメロン監督と共に携わった、ジョン・ルフーアとスティーヴン・E・リフキンの二人に、ニューヨークで開かれているEditfestで話を聞くことができた。

映画『アバター』

 映画『アバター』のほかに、ジョンは、映画『燃えよ!ピンポン』、スティーヴンは、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどの編集も手掛けている。

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 まず二人は、映画『アバター』の編集が3段階に分かれていたことを明かした。第1がモーション・キャプチャーで、ポイントの付いた服を着た俳優に、何もないスタジオで演技させ、顔の表情や体の動きをコンピューターで読み取り、CGを付け、キャラクターを動かすという作業。第2がヴァーチャル・カメラというビデオゲームのキャラクターのような立体的な映像を作り上げ、そこで、アングルや背景を決めていくという作業。そして第3の最終段階が、音響や音楽を付けた、一般に「編集」と呼ばれるものだったそうだ。この3段階を要した映画『アバター』の編集には、128週間、2年以上もの月日が費やされたのだという。

 スティーヴンは、何よりも撮影しながら編集を行っていたために、モーション・カメラとヴァーチャル・カメラの2段階の映像が、次から次へと送られてきたことに、恐怖ともいえる苦労を感じていたようだ。それを1日12時間から14時間、ほぼ毎日編集していたことを明かし、「まるで軍に入隊させられたように厳しい編集期間だったよ!」と語った。しかし、それほど毎日作業をしても、1か月に10分から12分の映像を仕上げるというペースだったそうだ。そんな苦労について、スティーヴンは「この努力に対する結果と称賛が大きかったから、今は喜んでいるよ」とその努力が報われたことに感謝しているようだった。

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 また二人は、偏光レンズという技術で本作の3Dが制作されたことを明かし、「人間は一つのものを両方の目で見るが、カメラの撮影はフォーカスされた以外に、少しゆがんだ部分も含まれる。そのゆがんだ部分のすべてにフォーカスを合わせ、より鮮明な映像を作り上げているんだ」とその仕組みを教えてくれた。

 最後に、「キャメロン監督の頭に続編はあるようで、配給会社も続編を制作させようとプレッシャーをかけている」と明かしてくれた二人。技術の進歩により、続編の制作期間は短縮できると考えているそうだが、常に新しいものを要求するキャメロン監督の性格上、「まだ本当に制作されるかどうかはわからない」とも話していた。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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