『スタートレック』『X-メン』パトリック・スチュワートの忠告「役者とは結婚するな」-エジンバラ国際映画祭
現地時間6月21日、第64回エジンバラ国際映画祭で名優パトリック・スチュワートのトークショーが開催された。長い芸暦の中からさまざまな話を披露したスチュワートは、マイケル・パウエル賞の審査員長も務めている。同賞はイギリスの新人監督作品に贈られるもので、前回は『月に囚われた男』が受賞している。
シェークスピア劇から出発した本格派のスチュワートだが、役者は血筋。中でも祖父は舞台俳優だった。だが、その祖父は妻子を残し出て行ってしまう。「警察に舞台をやっているところを見つかってね。『芝居が終わるまで待ってくれ』って言うから、警察が待ったら、終わるとすぐ別の出口から逃げて、それっきり。役者とは結婚するもんじゃない」と忠告。ベテラン俳優だが、舞台に比べ経験が浅い映画では、「昨晩も、いっしょに審査員をしているラフィ・ピッツの作品を見たんだが、ああ、こうするとこんな効果が出るんだって、早く試してみたくてしょうがないよ」とまだ学ぶことが多いという。
質疑応答では、やればよかった、やらなければよかったという役があったかという質問に「蹴ってしまったある役を、マイケル・ケインがやってね。オスカーにノミネートされた…バカなことをしたよ。ここだけの話だが、やらなければよかったのはワイルド・ギースII。どうしようもなくくさい作品だ」と答えた。影響を受けた俳優と、共演したことはという質問には「一番影響を受けたのは、アレック・ギネス。残念ながら共演はしていない。ローレンス・オリヴィエにも影響を受けた。共演したのはワイルド・ギースIIだよ!」とオチまでついた。
コミックのファンではないと言い、「『X-メン』も最初ずっと断り続けていた。シーリーズ物がたくさんあっても困るし」と『スタートレック』をかけて笑わせたが、『スパイダーエルサレム』というタイトルになる予定の、コミック原作映画が計画中であることも明かし、コメディの舞台ももうすぐと、ますます楽しませてくれそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)