来年のアカデミー賞授賞式、2月27日開催に決定!1月開催報道にハリウッド右往左往
ゴシップ中心のニュースサイトであるデッドライン・ハリウッドが米国西海岸時間6月22日に発表した、来年のアカデミー賞授賞式日程変更の記事は、未確認のゴシップであったことが明らかになった。アカデミー本部はこの報道に対して、「2011年に行われる第83回アカデミー賞は、当初の予定通り2月27日に開催予定である」と公式発表した。
第82回アカデミー賞作品賞を受賞した映画『ハート・ロッカー』写真ギャラリー
このゴシップ記事は、アカデミー賞授賞式に一番近い関係者たちにとっても寝耳に水だったようで、このほど第83回アカデミー賞で製作・監督をつとめることとなったドン・ミシャー氏もその一人だったようだ。同氏は、ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで「 『デッドライン・ハリウッド』のニッキー・フィンク氏のコラムを読んでビックリした!」と語った。
今年3月に行われた第82回アカデミー賞授賞式が、冬季オリンピックの放映日との兼ね合いを懸念して本来2月の開催時期を3月7日に持ってきたのはご存じの通りだが、これは異例なこと。ミシャー氏も、「こういった大掛かりな変更は1年半前より計画されることで、この時点で来年度の授賞式日程を変更することはない」と語る。
どうやらこの早とちり記事の源は、週の初めにアカデミーで行われた重役会議にあったようだ。毎回話題にのぼるといわれているアカデミー賞授賞式開催日変更の可能性について、人づてにゴシップ記者のニッキー・フィンクに流れて、同氏がアカデミー本部の確認を取らずに、『独占記事! 来年のアカデミー開催1月へ変更か』とネット上で大々的に報じたための騒ぎとみられている。この記事でハリウッド中は一時、蜂の巣をつついたような騒ぎになり、アカデミーは殺到する問い合わせの電話対応にてんやわんやとなった。
そして結局、将来の授賞式開催日変更という可能性は話題としてはあるものの、「既にスケジュールが発表になっている来年のアカデミー賞の日程が、突然この時期になって変更されることなどあり得ない」と公式に発表。「内部会議で2011年以後の授賞式日程を変更する可能性については話されているが、まだ未解決な部分も多く、変更決定日といった締め切り日があるわけでもない」と語った。
アカデミー賞の投票を行うアカデミー会員たちは、クリスマスから新年にかけてのホリデーを使って、アカデミー賞候補対象作品のDVDを自宅などでゆっくりと鑑賞してから年明けの1月に投票するというのが習わしになっている。2012年以降については、2月中で変動することは考えられるものの、それ以降、または以前への日程変更となると他の賞との兼ね合いやスタジオのPR戦略への配慮等々、たくさんの課題が残っており、ハリウッド全体にもかなりの影響を及ぼすことが予想される。(文・取材:神津明美/Akemi Kohzu)