本当のエミー賞最多ノミネート作品!米軍の日本兵への残虐をそのまま描く「ザ・パシフィック」
第62回エミー賞、最多ノミネートは歌って踊るテレビドラマ「Glee」の19ノミネートと世界的には報道されているが、実は200億円を投じ映画さながらのスケールで太平洋戦争を描いたテレビドラマ「ザ・パシフィック」こそ、15部門24ノミネートを獲得した本賞の本命であることはあまり知られていない。
本国アメリカでもエミー賞の最多ノミネートといえば、「Glee」のことばかり。しかしこれには訳があり、「ザ・パシフィック」がノミネートされている部門のほとんどがミニシリーズ作品賞など、エピソード数が少ないドラマを対象とした「ミニ・シリーズ部門」で、19ノミネートの「Glee」や「LOST」が争う「レギュラーシリーズ部門」とは異なる賞レースになる。主要部門ノミネートされる「Glee」に注目が集まるのは当然だ。
テレビドラマ「ザ・パシフィック」は第2次世界大戦、太平洋戦線を描いた戦争ドラマ。制作費200億円を投じて、リアルな戦争の最前線を映した。製作総指揮としてトム・ハンクス、スティーヴン・スピルバーグがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加している。空前のスケールで描かれたドラマはセリフのある登場人物だけでなんと138人! エキストラは延べ2万6,000人以上に及ぶ。
このドラマで特筆されるべき点は、日本軍が負けた戦争として、今も沖縄に爪跡を残す太平洋戦争を、アメリカ軍の視点で描いていることだ。アメリカ兵が日本軍や日本人にした残虐な行為をアメリカのドラマがそのまま描くのは珍しい。骨のある本作がエミー賞で、その実力を披露してくれることを期待したい。
「ザ・パシフィック」はWOWOWにて毎週日曜夜10:00より放送