『アリエッティ』が堂々1位!『トイ・ストーリー3』『踊る大捜査線』を破り100万人超え!
映画週末興行成績
海の日の祝日を含む7月の3連休は真夏日が続き、絶好の行楽日和となった。今年の夏は興収100億円超えを目指す強力作が続々と公開され、毎週トップが入れ替わるという激しいデッドヒートが繰り広げられている。
そんな中、今週1位を獲得したのは、全国447スクリーンで公開されたスタジオジブリ2年ぶりの新作映画『借りぐらしのアリエッティ』だった。初日2日間で動員約68万人、興収約9億円をあげて首位を獲得。2008年7月19日に公開され最終興収155億円だった「崖の上のポニョ」との土日対比は動員83.3%となり、配給元の東宝では、「興収100億円超え確実」の声明も飛び出した。さらに17日から19日までの3日間では動員が103万8,138人、興収13億4,979万8,700円を記録するなど、早くも動員100万人超えを達成。ジブリブランドは健在で、客層も6割が女性層で占められているなど、ファミリームービーとしても、デートムービーとしても、人気を集めている。
本作の公開に合わせて、東京都現代美術館では、映画の公開と合わせた展覧会「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」が開催されたり、日本テレビ系列で、映画『紅の豚』『耳をすませば』『ハウルの動く城』など過去のジブリ作品が放送され、さらに23日には『となりのトトロ』も放送予定と、バックアップ体制も万全。『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』『トイ・ストーリー3』と、夏映画のライバルと同水準の興行ペースであるだけに、どの作品が頭一つ抜き出すのか、まったく先がわからなくなってきた。
そして先週トップを獲得した映画『トイ・ストーリー3』はワンランクダウンだが、動員が150万人突破と高水準で推移している。そして3位は映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』が同順位をキープ。土日祝3日間の成績は動員が59万9,380人、興収が8億108万1,350円、さらに17日間では、動員300万5,883人、興収39億2,795万4,000円と、3週目にして早くも動員が300万人を突破している。また、27日には主演の織田裕二による大ヒット御礼舞台あいさつを実施予定。今後どのように成績が推移していくか、楽しみである。
4位は『劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク』が2ランクダウンしたが、これまでの累計動員は124万2,410人、興収が13億1,093万7,700円となっている。今後、夏休みを迎え、子どもたちの平日の動員増が期待されるため、どれほど興収を増やすことができるのか、期待されている。そして5位に初登場となったのがM・ナイト・シャマラン監督の映画『エアベンダー』。386スクリーンの公開で、土日祝3日間の動員が13万7,225人、興収が1億8,733万8,350円と、強力なライバルがひしめく中で非常に健闘している。そして6位は映画『プレデターズ』が2ランクダウン。続いて7位は映画『告白』が2ランクダウン。しかし、これまでの累計動員が260万1,188人、興収が33億7,262万900円と、30億円超えの大ヒットを果たしている。続いて8位は『必死剣 鳥刺し』が2ランクダウン。
そして9位に俳優・小栗旬の初監督作、映画『シュアリー・サムデイ』が初登場。全国186スクリーンで公開され、土日祝3日間の動員が5万7,267人、興収が7,695万8,250円とまずまずの結果となった。監督の小栗を前面に押し出したテレビCMを筆頭に、テレビ、雑誌、新聞、ウェブなど、小栗が精力的に作品をアピールしていた。今後も24、25日に、小栗らが関東広域の映画館をくまなく回るヒット御礼舞台あいさつを実施予定。今後どのように推移していくか、注目していきたい。10位は映画『それいけ!アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌』が2ランクダウン。先週7位だった映画『アデル/ファラオと復活の秘薬』が4ランクダウンという結果となった。
今週末はレオナルド・ディカプリオと渡辺謙、そしてクリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』が公開。この3連休に先行公開が行われ、好調な動員を記録中。夏映画対決のダークホースとして期待されている1本だ。そんな大作が話題となる週末だが、難病に侵されたわが子を救う治療薬の開発のために、製薬会社まで設立したという実話を基に、ハリソン・フォードが製作総指揮、出演を果たした映画『小さな命が呼ぶとき』、そして全米ゾンビ映画史上ナンバー1ヒットを記録したという触れ込みの映画『ゾンビランド』といった作品にも注目したい。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)