宮崎駿ファン!『ヒックとドラゴン』のコンビ監督、自作に宮崎スタイルの継承を宣言
ドリームワークスの最新映画『ヒックとドラゴン』でメガホンを取ったクリス・サンダース監督とディーン・デュボア監督が、大ヒット映画『リロ&スティッチ』当時からジブリ作品に多大な影響を受けていることを打ち明け、今回の最新作にもオマージュの嵐が吹き荒れていることを明かした。
本作は、バイキングの少年ヒックとけがで飛べないドラゴンのトゥースが、敵対する互いの関係を乗り越え、友情を培っていく姿を描く感動作。言葉が通じないヒックとドラゴンが心通わせていく様子は、あの有名なジブリ作品がヒントに。だが、実はそれ以前に別の映画でもジブリ作品を参考にしていたという。「『リロ&スティッチ』は、『となりのトトロ』の影響を受けて撮ったんだ。トトロと子どもたちが言葉を交わさずに信頼を築いていくとてもシンプルな関係が大好きで、それは『ヒックとドラゴン』にも通じているんだよ(クリス)」と語った。また、「バイキングの子どもたちがドラゴンにまたがって一斉に飛ぶシーンは、『紅の豚』の飛行シーンを参考にした。シンプルだけれど詩的なものを感じられて、セリフではなく音楽で語られるところにすごく影響を受けたよ(ディーン)」と最新作でジブリ作品をうまくオマージュできたことに満足げな様子だった。
しかし、ジブリ作品へのリスペクトは、これだけにとどまらない。映画『魔女の宅急便』で、主人公のキキが初めてほうきに乗って飛ぶシーンで、時間をかけて、まるで重力がなくなったかのようにフワっと宙に上がるところも参考にしたという。また、今回の映画では、「ヒックがドラゴンに自分が作った新しい羽を着けるシーンにじっくりと時間を費やしたんだ。そういうシーンに観客は引きずり込まれると思ったので、大切なディテールをスキップしなかった。観客が目の前で起こることを信じられるような展開を用意したのさ(クリス)」と制作秘話も打ち明けてくれた。確かにヒックとドラゴンが何度も飛行練習を重ねるシーンには目を奪われるパワーがある!
「僕らは二人とも長年の宮崎ファン!」と口をそろえて豪語する彼らに、宮崎駿監督作品のお気に入りのタイトルを聞いてみると、「ベストは難しいな(笑)。でもトトロかな(ディーン)」「僕もトトロさ。たぶん初めて観た宮崎作品だったと思うし、いまだにほかの作品と全然違うと思う(クリス)」と『となりのトトロ』をナンバーワンに選出した。ただ、最後には、「彼のどの作品ということではなく、すべての作品に共通していることは、有機体の生物、オーガニックなものにメカニカルな物体が付いている描写があること。そこは宮崎スタイルとしてインスピレーションを受けたよ(ディーン)」と大フリークであることの核となる理由を教えてくれた。『ヒックとドラゴン』でもその宮崎スタイルを継承しているので、劇場の大スクリーンで確かめてもらいたい。
映画『ヒックとドラゴン』は8月7日より全国公開