松山ケンイチ「光栄な事です」ヴェネチア国際映画祭『ノルウェイの森』コンペ出品決定!
9月1日から11日まで開催される第67回ヴェネチア国際映画祭で、コンペティション部門に日本から選ばれた映画『ノルウェイの森』のトラン・アン・ユン監督、主演の松山ケンイチがそれぞれコメントを公表した。
映画『ノルウェイの森』は村上春樹の同名小説を、『シクロ』『夏至』を手掛けるフランス人監督トラン・アン・ユン監督が映画化。1987年に刊行され空前の大ヒットとなった原作は国内の発行総累計部数だけで870万部。ほかに英語を始めフランス語など世界36言語に翻訳されている日本が誇る世界的ベストセラーだ。しかし、昨今あらゆるベストセラー小説が映画化されているが、意外にもこの世界的ベストセラーは今まで映画化されていなかった。村上自身、本作には特別な思いがあり、幾度となく持ち込まれた映画化話に決して首を縦にふらなかったそうだ。それが23年を経て映画化されたのは村上がトラン監督の作品が好きだったということが大きいという。
物語は1987年に18年前を回想する“僕”を軸に描かれる。18年前に学生だった“僕”ことワタナベが自殺した友人の恋人との出来事を通して、喪失感や、青春の日々に感じる大人になる過程で世の中のさまざまなものへ感じる葛藤(かっとう)や渇望などが繊細(せんさい)に描かれていく。そんな僕を演じるのは、『カムイ外伝』『DEATH NOTE デスノート』で作品ごとに人格さえも変えたのではないかと思われるほど完ぺきな演技を見せる松山ケンイチ。松山はこの決定に「光栄な事です。 一足早く海外の方に観てもらうのですがどんな反応を示すのか興味津々です。きっと素晴らしい経験になると思います」と謙虚にコメントを述べた。また友人の恋人直子を菊地凛子。ワタナベが大学で知り合う同級生・緑を水原希子、キズキを高良健吾、ワタナベの先輩・永沢を玉山鉄二、直子の同室人となる女性レイコを霧島れいかが演じる。
また『夏至』で世界中から高い評価を得て、木村拓哉、ジョシュ・ハートネット、イ・ビョンホンと日米韓のイケメン共演で話題を呼んだ『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』を監督し、本作の監督に抜擢されたトラン・アン・ユンは、『幻の光』でヴェネチア映画祭でオゼッラ・ドゥオロ賞を受賞した是枝裕和監督を引き合いに出し、「私が是枝裕和監督とお会いしたのはヴェネチア映画祭の時でした。後に、ロッテルダムで再会し、そこで橋口亮輔監督と知り合うことになりました。その時、三人で語り明かしたことが、今でも素晴らしい思い出です。私たちは二人の‘村上氏’について語り合い、私は『ノルウェイの森』、二人は『69 sixty nine』と『限りなく透明に近いブルー』の話をしました。まさか、数年後に日本映画を出品するためにヴェネチアの地に戻り、その作品が『ノルウェイの森』になろうとは思ってもみませんでした!」と喜びと驚きの混ざったコメントを公表した。
本作は非常にまれであると言われているザ・ビートルズの楽曲「ノルウェーの森」の原盤の使用許可が下り、カバー曲ではないホンモノのザ・ビートルズの楽曲「ノルウェーの森」が主題歌に使用されることでも話題を呼んでいる。
第67回ヴェネチア国際映画祭は9月1日から11日まで開催
映画『ノルウェイの森』は12月11日より全国公開