妻夫木聡、モントリオール世界映画祭出品に「世界の人に観てもらえるのはうれしい」
2日、映画『悪人』のジャパンプレミアが行われ、主演の妻夫木聡、深津絵里、満島ひかり、樹木希林、柄本明、李相日監督が登壇したほか、歌手の福原美穂が主題歌「Your Story」を披露した。
本作は、今年の8月26日から9月6日まで行われるモントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門に出品されることが発表されたばかり。過去に同映画祭で最高賞のグランプリを受賞し、その後、第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した映画『おくりびと』と同じ運命をたどることができるか注目される。原作に惚れ込み、これまでのイメージを覆すような悪人役を「初めて自分から望んでやらせてもらった」という主演の妻夫木は、モントリオールでの上映について「結果がどうであれ、世界の人に観てもらえるのはうれしいですね」と謙虚に喜びを語った。
また、この日は映画のタイトルにちなんで、登壇者が自分をどんな人間だと思うかを書いたフリップボードをそれぞれ披露。「仕事人」と書いた妻夫木は、「本当は『天地人』と書こうとしたけど、李監督にぶっとばされるかなと(笑)。自分のことを『仕事人』だと思うので仕事下さい(笑)!」とユーモアたっぷりに語り会場を沸かせた。一方、ヒロイン役の深津は何と「凡人」。「わたしは凡人。演じてなければ何もない、ダメな人間です……」と長く第一線で活躍する人気女優とは思えないほど謙虚なコメントをした。
最後に自らを「極悪人」と書いた李監督は「撮影でいろんな人をつらい目に遭わせたから(笑)」と理由を語り、豪華キャストが集結した本作について「この映画は俳優の映画。妻夫木くんが、劇中では妻夫木くんに見えない。キャストのみなさんが新たな人間像を作っている様を観て頂ければ」と自信をにじませながら作品をアピールした。モントリオール出品については「外国の方にもたぶん伝わると思います。賞は水ものなので、欲張るとロクなことはない(笑)。自然体で迎えたいです」と抱負を語った。
『悪人』は第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞をダブル受賞しベストセラーとなった芥川賞作家・吉田修一による同名タイトルの小説を映画化した感動のヒューマンドラマ。ひとつの殺人事件をきっかけに絶望のどん底に突き落とされた人間たちが、善悪の葛藤(かっとう)の中でもがく姿を通して、「いったい誰が本当の『悪人』なのか?」を観る側に問い掛ける。
映画『悪人』は9月11日より全国公開