処女小説出版の野沢直子、絶賛コメントに有頂天になりつつも、最後はやっぱり毒舌!
12日、お笑い芸人の野沢直子が処女小説となる「アップリケ」の出版を記念し、その才能を絶賛する劇作家の本谷有希子と共に、ジュンク堂書店新宿店でトークショーを開催し、作品へ込めた思いを語った。
今回小説を出版することになった経緯について、野沢は、「最初は趣味で書いていて、名前を隠してどっかの文学賞に応募しようと思っていた。賞をとったときに、『実は書いたのはアタシです』って激白して話題をかっさらおうと企てていたが、担当マネージャーに『出しちゃいましょうよ~』と言われて出版の運びとなりました」と思わぬ形で出版に至ったことを告白。
司会者や本谷から「面白かったです!」と絶賛のコメントを受けても、最初は「お世辞じゃないですよね? 事務所的にとか関係なく?」と半信半疑だった野沢。だが、実は読んだ知人からの評判も上々で、「いろいろな人が面白かったと言ってくれるので、すごく調子に乗っています。ひそかにもう2作目も書いているんです」と目覚め始めた作家としての才能に、新たな意欲をみなぎらせていた。
「これは、私の、私なりの自叙伝です」という後書きの一文について質問されると、「私は28歳でアメリカに行ったが、当時はレギュラー番組が5、6本もあった。そんな絶頂期に何で? もったいなくない? と周囲にすごく言われたが、感覚的にピンとこなかった」と、自分と周囲との価値観のギャップに気付いたエピソードを告白。「自分は人と価値観が違うとか、変わっているとか思っていても、別にそのままで良い。自分のありのままで好きなことやしたいことをして、人生を楽しく送っていこうという、自分が体感したことが読者の皆さんにも伝わればうれしい」と、芸人としてではなく一人の人間としての生き方を真摯(しんし)に語った。
しかし、さすがは芸人! トークもさえわたり、この日が初対面という本谷については「女流作家は不細工というイメージがあったが、会ってみたらこんなにきれいな方なのでビックリ」と世の女流作家たちを全員敵に回すような毒舌を吐き、さらに物語の構成が村上春樹の小説「1Q84」と同じ群像劇であることについては「偶然ですから! パクリではないです!」と むきになって否定していた。
「アップリケ」は、社会や家族にうまく適応できない少年たちが、本当の自分を見つけるまでの成長模様を、コミカルかつシリアスに描いた青春小説。
小説「アップリケ」は8月18日より全国書店で販売