故佐藤慶さんの19作品一挙上映!通り魔から厳格な旧式家庭の長まで演技の幅の広さに驚き
近年でも映画『カイジ 人生逆転ゲーム』などで独特の存在感を発揮し、惜しくも今年5月に81歳で亡くなった名優・佐藤慶さんの日本映画界に残した足跡をたどることのできる19作品が、ラピュタ阿佐ヶ谷で8月29日より上映されることが明らかになった。
佐藤さんは、仲代達矢、宇津井健らの同期として、俳優座養成所に入所。その後は社会派作品や暴力映画などで活躍し、1967年のテレビドラマ「白い巨塔」でも田宮二郎や、後に唐沢寿明が演じることになる財前五郎をまったく違う側面から演じるなど、名脇役としてだけでなく、主演も務められる俳優として定評があった。そして、年齢のため仕事を控えるまで映画『あずみ』『60歳のラブレター』などで存在感を発揮していた。
「孤高の名優 佐藤慶」と題された特集上映では、故松田優作さんの代表作、映画『殺人遊戯』や、大島渚監督の映画『儀式』『白昼の通り魔』など、佐藤さんの役者としての幅広さ、存在感を再確認できる19作品がラインナップに並んでいる。とりわけ常連となっていた大島監督作品では、屈折した内面を抱えた通り魔から厳格な旧式家庭の長まで、まさに役に成り切るという表現がぴったりの演技を見せている。
ほかにも本特集では、佐藤さんと過去に共演したことのある女優を招いてのトークショーも企画されているので、役者としての佐藤さんだけでなく、現場での裏話なども明かされるかも? 日本映画を50年近くにわたって支え続けた名優の足跡を振り返ることのできる好特集だ。
特集上映「孤高の名優 佐藤慶」は8月29日よりラピュタ阿佐ヶ谷で開催