『ハナミズキ』が1位で30万人動員!『特攻野郎Aチーム』もランクイン!!
映画週末興行成績
先週末は厳しい猛暑がぶり返し、東京都心でも平年より4.1度高い34.6度まで上がったという。そろそろ夏休みも終わりに近づきつつあるが、そんな気候の中で初登場首位を獲得したのが、新垣結衣、生田斗真、向井理共演による映画『ハナミズキ』だ。世間的にはまだまだ残暑が続きそうだが、しっとりとしたラブストーリーが観客の支持を集め、興行の世界ではひと足早く、秋の気配といったところか。全国310スクリーンで公開され、初日2日間成績は動員30万1,275人、興収3億9,921万2,600円。本作のメガホンを取った土井裕泰監督の『涙そうそう』(最終興収31億円)対比で102.2%という水準で、配給元の東宝は「30億を超えて40億も狙える」とコメントしている。
本作のヒットの要因はいろいろと考えられそうだが、最終興収38億円の映画『恋空』以来の新垣結衣主演の純愛映画であること。さらに同作を観た世代が新垣同様に成長し、等身大のラブストーリーとして受け入れられたこと。原作なしのオリジナル企画ながら、タイトルにもなっている一青窈の曲「ハナミズキ」はカラオケランキングベスト10に入るなど、知名度が抜群だったこと。そして何より、新垣、生田ら俳優陣が各メディアで精力的にプロモーションを行ったことも大きいだろう。その露出度の多さは特筆すべきものがあり、7月、8月は彼らを見ない日はなかったのではないだろうか。また、テレビドラマ「ゲゲゲの女房」人気で、向井の人気が急上昇中であることも追い風になったことは間違いない。今週末は大きな作品の公開が少ないため、この勢いが続けばV2も夢ではないだろう。
今回、惜しくもトップの座を譲り渡し、2位となったのはスタジオジブリの映画『借りぐらしのアリエッティ』だ。さすがにお盆を過ぎて動員の伸びも若干トーンダウンしているようにも見えるが、それでも6週目を迎えて動員は611万7,441人、興収は73億9,106万2,220円を突破。ついに動員が600万人を超えている。そして3位の映画『トイ・ストーリー3』は、7週目にして動員が630万人、興収が93億円を突破。いよいよ興収100億円にリーチといったところだろうか。
4位に初登場となったのは、1980年代の人気ドラマの映画化作品『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』だ。8月14日に先行公開があり、全国358スクリーンにおける先行上映14日と21日、22日の成績は動員12万3,577人、興収1億5,586万5,000円。さらに20日の金曜日を含めた成績は、動員が15万8,164人、興収が1億9,608万8,300円となった。オリジナルを知っている世代から、知らない若い世代まで幅広く支持を集め、とにかく頭を使わずに楽しめるという娯楽の王道ともいえる作風が支持を集めているもよう。人気上昇中のブラッドリー・クーパーらキャスト陣が来日し、本作のPRに努めたことも記憶に新しい。また、石田純一、小島よしおらによる「日本版Aチーム」結成というニュースも、多くのメディアが取り上げ、話題になった。
続いて5位も初登場。足立たかふみによる原作マンガが月刊コロコロコミックで絶賛連載中の『劇場版メタルファイト ベイブレードVS太陽~灼熱の侵略者ソルブレイズ~』は、全国216スクリーンでの公開。ローソン限定でオリジナルベイブレード付き前売り券を販売するなど、コロコロ世代の子どもたちの心をしっかりとつかんでいるようで、初日2日間で動員11万7,418人、興収1億1,969万4,900円を上げている。
そして6位は『ベスト・キッド』が3ランクダウン。7位は『仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』がワンランクダウン。公開5週目となる『インセプション』は8位と2ランクダウン。そして9位は『劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク』と、公開7週目ながら息の長いヒットを記録している。そして10位は、『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は8週目を迎え動員520万6,388人、興収66億7,914万9,400円となっている。
夏の公開ラッシュもひと段落つき、今週末は、映画『ルー=ガルー』『花と蛇3』『トイレット』『KING GAME キングゲーム』『JUNSU/JEJUNG/YUCHUN THANKSGIVING LIVE IN DOME 劇場版』『Livespire「A3D ayumi hamasaki ARENA TOUR 2009 A ~NEXT LEVEL~」』など単館系作品を中心に公開される。また、全国公開となる木村多江主演の映画『東京島』のランク入りにも注目したい。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)