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新垣結衣主演の『ハナミズキ』はなぜヒットしたのか!?その秘密を監督・プロデューサーが明かす!

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(左から)土井裕泰、那須田プロデューサー
(左から)土井裕泰、那須田プロデューサー

 4日、デジタルハリウッド大学・秋葉原メインキャンパスで公開講座「プロデューサーが語る映画『ハナミズキ』ができるまで」が行われ、本作の土井裕泰監督、TBSプロデューサーの那須田淳が登場。本作製作における裏話を披露した。

映画『ハナミズキ』写真ギャラリー

 興行通信社調べによる週末興行ランキングで2週連続首位を獲得し、大ヒット街道をばく進中の映画『ハナミズキ』の裏側が聞けるとあって、この日の講座には同校の学生だけでなく一般の観客も数多く来場していた。この夏の興行は、映画『借りぐらしのアリエッティ』『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』といった強力なライバルが多かったが、そんな中で本作がヒットしている感触を聞かれた那須田は、「(ライバルの存在は)むしろ劇場で『ハナミズキ』の予告編を観てもらうチャンスだと思っていました。もちろんラッキーだったなとは思いますが、作戦通りです(笑)。最終的な目標は40億円くらいを目指していますが、始めの目標は達成しているかなという感じですね」と笑顔。しかし土井監督には大量の露出が逆にプレッシャーになっていたそうで、「『ハナミズキ』の曲がかかると逆に胃が痛くなりました(笑)。でも一人でも多くの人に観てもらいたいと思っていたからうれしかったですね」とヒットを宿命付けられる監督ならではの苦労を打ち明けていた。

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 さて、本作の魅力の一つにニューヨーク、カナダで行った海外ロケがある。しかし、もし海外ロケがなかったら、約5億円と言われている本作の製作費は、およそ3分の2で済んだだろうと那須田は述懐する。だがそれでも億単位の費用がかかる海外ロケが必要だったのは、モチーフとなった一青窈のオリジナル曲のフレーズ「君と好きな人が100年続きますように」をいかにして映画として表現するかにかかっていたからなのだという。那須田は「この作品にこのフレーズをどう入れるかが大きな宿題だった。でも入れるとしたらニューヨークだろうと思っていました」と明かした。

 その答えとして土井監督は「100年続くというのは、ひとつの愛というよりは、世代を超えていくことなんだろうなと思ったんです。一青さんは911に心を痛めて、この曲を作ったそうなんです。ですから、平和をベースに、その思いを次の世代につなげるというように描かないといけないなと思ったんです」と明かす。本作では、そういったところから、新垣結衣演じる紗枝が、戦場カメラマンの父親の思いを受け継いで海外で働くことを夢見る、という物語のベースにつながっていく。

 そして那須田は「誤解を恐れずに言うなら、ただの純愛映画、ただのラブストーリーだったらヒットしないだろうと思っていました」と前置きすると、遠距離恋愛という淡い恋愛というのは、どの世代にも響くはずだが、ヒットするためにはそこから一歩広げて、勝手にいろいろと想像してもらうことが大切だったと明かす。「予告編を観たときに、なぜニューヨークなんだろう、なぜ灯台なんだろうと想像してもらうことが大切。映画をヒットさせるためには、期待を持たせることが大事なんです」と力説。そして「テーマを持つことが大事なんですね。テーマを生かすためにどこにお金をかけるか。映画ビジネスにおいては、そのテーマを実現するためのコストを計算しなくてはいけないんです。そういう意味では今回のテーマを実現するためには海外ロケが必要だったということなんです」と明かすと、会場の観客も納得した表情。興行の世界では「TBS製作の純愛映画は強い」というジンクスがあるが、その秘密が少し垣間見えたこの日の公開講座だった。(取材・文:壬生智裕)

映画『ハナミズキ』は全国東宝系で公開中

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