安藤和津と安藤モモ子の母娘コンビ、夫・父親の奥田瑛二について「還暦を迎えてやっと大人になった」
17日、新宿バルト9にて現在開催中の第7回ラテンビート映画祭で、映画『愛する人』プレミア上映前にエッセイストの安藤和津と映画監督の安藤モモ子の母娘がトークイベントを行った。
ロドリゴ・ガルシア監督作品『彼女の恋からわかること』場面写真
本作が37年間会うことがなかった母と娘の運命を描く作品であることにちなんで、この日のトークに抜てきされた二人。父親は俳優で映画監督でもある奥田瑛二、もう一人の娘・安藤サクラもやはり女優として活躍中、というまさに芸能一家だ。
今年の春に公開された初監督作『カケラ』が海外でも好評を博した娘のモモ子は家庭内の様子について「濃い家族です(笑)。みんな同じ業界にいるので、外より緊張感のある会話をしていますね」と語ると、隣の母・和津が「そういう緊張感はあるわね」と同意。さらに「自分にとってお父さん(奥田)はずっと(夫というより)長男という感覚だったけど、今年還暦を迎えてやっとちゃんとした大人になったんです。これでやっとわたしの人生の荷物の4分の1くらいは持ってくれるかな。この間はコンビニの荷物を持ってくれたの!」と感慨深げにコメント。すると娘のモモ子も「父は自分の年齢に抵抗して落ち込んでいたけれど、還暦を迎えてガラッと大人になりました(笑)」と母の言葉にうなずくなど、現在国内外で活躍する奥田の家庭内での弱い(?)立場や、家族同士の仲の良さがうかがい知れるほのぼのトークを繰り広げていた。
そして、一足早く本作を鑑賞したという二人はとても気に入ったと口々に絶賛。娘のモモ子は「親子三世代の物語が、美しいタペストリーとなった一枚の織物のようだった。心のひだをつつかれて、素晴らしい経験をさせてくれた」、母の和津は「(映画を観終えて)自分を生んでくれた母に、そしてわたしから生まれてきてくれた二人の娘に、改めてありがとう、と思った。命はつながれて、バトンタッチしていく。いろんなメッセージが込められた作品です」とそれぞれこれから映画を観る観客へメッセージを送って締めくくった。
映画『愛する人』は『バベル』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが製作総指揮、『彼女を見ればわかること』のロドリゴ・ガルシア監督による希望と感動の物語。14歳のとき思わぬ妊娠で生まれた子を手放すも、会ったことのない子どもに思いを寄せ続ける母親(アネット・ベニング)と、母親を知らずに育った娘(ナオミ・ワッツ)のそれぞれの人生模様と、お互いへの強い思いが二人の距離を縮めていくさまを描く。
映画『愛する人』は2011年正月にBunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開