深作健太、父・深作欣二監督は「一番好きな監督」 クレジットに名を連ね「これ以上ない喜び」
過激な暴力描写やセンセーショナルな内容で世界中の映画人に影響を与えた映画『バトル・ロワイアル』が公開10周年を迎え、映画『バトル・ロワイアル3D』としてよみがえった。オリジナルでメガホンを取った、故・深作欣二監督とのエピソードも交えて、息子であり本作では3D監修と脚本を担当した深作健太が作品について語った。
今回の3D化にあたり深作は、「自分もプロデューサーや脚本家としてのデビュー作ですし、周りの環境もひっくるめて、この10年何が変わったか、変わってないかを確かめる機会になれば」と東映からのオファーを受けた理由を説明した。本作は設立されたばかりの東映デジタルセンター第1回作品として誕生する。
そんな本作は深作にとって、最も思い入れのある作品だそうで、故・深作欣二監督の話になると「一番好きな『監督』です」と明かし、父のことを「監督」と呼んだ。映画『バトル・ロワイアル II~鎮魂歌(レクイエム)~』の撮影開始直後に父が他界し、バトンを受け継ぐ形で深作が監督デビューを果たしたエピソードは有名だが、「当時プレッシャーは?」と尋ねると、「全然なかったですね」とナチュラルな答えが返ってきた。「(欣二監督と)一緒に『I』『II』は作っていたので、プレッシャーはなかったです。悲しかったけど葬儀の3日後には撮影を再開しなければならない状況だったので考えたりする暇がなかった。スタッフ・キャストに支えられたこともあり、乗り切れたのかもしれない」。そして、印象深い状況で完成させた作品だからこそ、監督としてクレジットに欣二監督と名を連ねられたことは、これ以上ない喜びだったという。
欣二監督が亡くなって7年。「『II』以降もしばらく『オヤジだったらどう撮るか』をテーマにやっていました。今、7年かけてやっと『自分だったらどう考えるか』にシフトしてきました」と心境を明かす深作は、「今後もどんどん挑戦したい。どんな作品にも絶えずオヤジの『おばけ』が先にいるわけですが、僕も何でもやりたい」と意欲的に語った。そんな深作は現在ドキュメントタッチの新作映画に取り掛かっており、新たな挑戦に目を輝かせていた。
映画『バトル・ロワイアル3D』は、最新技術により『バトル・ロワイアル』を全編3D変換。2,500カットからスペシャルカットを選び、CG加工を施してより高い3D効果を狙う。スクリーンから飛び出してくるような弾丸や、降り掛かる血しぶきなど、過激に演出された3D効果に注目だ。
映画『バトル・ロワイアル3D』は11月20日より全国公開