『ラブリーボーン』のシアーシャ・ローナンが、14歳の殺し屋役についてニューヨーク・コミコンで語る!
10月上旬に開かれたニューヨーク・コミコンで、映画『つぐない』や『路上のソリスト』のジョー・ライト監督が、来年公開される予定の新作『ハンナ / Hanna』(原題)について、主役シアーシャ・ローナンとエリック・バナと共に語った。
同作は、父親の教育によって冷血な殺人マシーンと化した、14歳の東欧の少女ハンナ(シアーシャ・ローナン)を主人公にしたアクション映画。エリック・バナは、ハンナの父親役を演じている。
製作経緯についてジョー・ライト監督は「ちょうど、何も仕事がなかったときに、その僕のぶざまな姿に同情したシアーシャが、彼女自身がすでに出演が決まっていたこの映画の配給会社フォーカス・フィーチャーズに、僕を監督として推薦してくれたんだ(笑)。それから脚本を渡されて内容を見たが、これから製作するのは少し怖い(これまで彼が製作してきたジャンルとは全く違うため)と思ったが、やりたいとも感じたんだよ」と参加理由を語った。一方シアーシャも「脚本を読んだときに、まだうぶな要素のある14歳の殺し屋という設定に惹かれたの。いったん監督がジョーに決まってからは、脚本の内容に少しおとぎ話的な要素を加え、より新鮮なものにし仕上げてくれたわ」と語ったように、『つぐない』でも共に仕事をした二人には、すでに信頼関係が築き上げられていることを感じさせた。
映画内ではかなり激しいアクションをこなしているが、どんなトレーニングをしたのかとの質問に「マット・デイモンがジェイソン・ボーンを演じた『ボーン』シリーズでアクションの振り付けを担当していた日系俳優ジェフ・イマダに教わったの。彼は、ジャッキー・チェンとも仕事をした経験のある人物で、その彼に2か月くらいかけてトレーニングしてもらったわ」とシアーシャが答えると、同じくジェフ・イマダとトレーニングしたエリックも「彼は非常にユニークで、特別なスタイルを持ったアクションの振り付け師だ。彼と共に仕事をしていると、かなり厳しいトレーニングでも楽しく感じられたよ」と語ったように、これまで多くのアクション作品にも出演してきたエリックも気に入った様子だった。
また、自身が演じたハンナ役について、シアーシャは「もちろん、普通の10代の女の子たちとは全く違っていて、人里離れた環境で父親だけと彼女は暮らしてきたんだけれど、そんな彼女は自分とは別の世界に憧れて、いろんな人たちに会ったりしながら、普通の女の子たちが体験していることも知りたいとも思っているの。だから殺し屋とは別に、10代の普通の女の子たちにも共感できる要素がある作品になっているわ」と役柄への思いを語った。10代の子供たちが持つ繊細な感覚を十分にふまえた作品になっているようだ。
映画内には、ジョー・ライト監督特有のロングショットもあるそうで、それはエリック・バナとCIAのエージェントが戦うシーンにあるそうだ。この話題の作品は、来年の4月8日に全米公開予定している。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)