コリン・ファースの主演映画、レイティング指定が緩み12歳以下も鑑賞可能に
コリン・ファース主演、トム・ホッパー監督の新作映画『ザ・キングス・スピーチ / The King's Speech』(原題)で、イギリスのレート決定機関BBFCは、当初決定していた15歳以下は鑑賞できない「15」から、12歳以下は大人同伴で鑑賞可能な「12A」へ引き下げる決定をした。
この作品は、イギリスの王ジョージ6世の吃音を治すために雇われた言語療法士が、「罵(ののし)り言葉」を使って王の発声を治していくというもの。この「罵(ののし)り言葉」が、レート「15」の規定する「強い言語表現を使用している」に当たるとして、当初BBFCは15歳以下の子どもが見られないレイティングをつけていた。これに対し、映画の配給会社やホッパー監督、出演者らから疑問の声があがり、コリンは当初、「暴力について不満を漏らすよりも先に、言葉遣いについて不満を言うのは一体誰なんだか、調べてみたら面白いね」と皮肉も語っていた。また言語療法士役のジェフリー・ラッシュは「(映画の中の罵りは)虐待的な、あるいは人を傷つけるような内容として使われているのではない」と、BBFCの決定に不満を漏らしていた。
こうした事態を受け、BBFCはレイティングの再考を行い、「言語療法の場面で強い言葉が含まれています」といった観客への注意喚起を付加することで「12A」へ変更することを決定。「通常の再考手続きを踏み、これらの言葉が攻撃的ではなく、誰に向けて発せられているのでもないという結論に至った」としている。ロンドンで行われた本作のプレミアに出席したコリンは、「いいニュースだよ。正しい決断だったと思う」とコメント。ホッパー監督も「非常に嬉しく思うし、より多くの人にこの映画を見てもらいたいと思う」と喜びを語っている。