『パラノーマル・アクティビティ2』が全米ナンバーワン!超常現象映画の週末売り上げで新記録達成 -10月25日版
全米ボックスオフィス考
去年大ヒットした映画『パラノーマル・アクティビティ』公開から約1年。ハロウィーンまで1週間となったアメリカで、その続編にあたる映画『パラノーマル・アクティビティ2』が興行収入4,068万ドル(約34億5,780万円)の大ヒットを記録し、全米興行収入第1位の座に輝いた。(1ドル85円計算)
3,216館・推定4,500スクリーンで封切られた同作品は、これまでに公開された同類作品のデビュー週末売り上げ記録を打破。超常怪奇現象を扱った歴代映画ナンバーワンになるという快挙も成し遂げ、これまで超常現象映画のカテゴリーでデビュー週末売り上げ3,910万ドル(約33億2,350万円)を記録してトップだった映画『THE JUON/呪怨』から王座を奪う結果となった。
『パラノーマル・アクティビティ2』の週末チケット・セールスは、49パーセントが金曜日の上映からのもので、特に1,800館にての深夜先行ロードショーが630万ドル(約5億3,550万円)の売り上げを記録しており、スタジオ側が行なってきた熱心なPR作戦が功を奏したものと思われる。この売り上げ記録は、映画『ジャッカス3D / Jackass 3-D』(原題)の10月における歴代深夜先行ロードショー記録である250万ドル(約2億1,250万円)を破ったばかりか、R指定映画(保護者付き添いなしの17歳以下は鑑賞禁止)での深夜先行ロードショー記録を維持していた映画『ウォッチメン』の455万ドル(約3億8,675万円)をも軽く打破している。
配給会社パラマウント・ピクチャーズの観客アンケートによると、映画を観に来ていた54パーセントが女性客で、全体の61パーセントが25歳以下の観客であったという統計が発表されている。
代わって今週の第2位は2,131万ドル(約18億1,135万円)で、先週第1位からダウンの『ジャッカス3D / Jackass 3-D』(原題)。57.7パーセントの落下率で、前作映画『jackass number two』の2週目落下率50パーセントを上回ってしまったものの、公開後10日目にして8,690万ドル(約73億8,650万円)と上々の売り上げを記録している。
第3位は、こちらも先週からワンランクダウンした『RED/レッド』。興行収入は1,503万ドル(約12億7,755万円)だったが落下率は30.9パーセントと健闘。封切り後10日で、4,350万ドル(約36億9,750万円)を売り上げている。
今週第4位は、先週から限定公開が開始されて、今週末から全米での公開となったクリント・イーストウッド監督映画『ヒアアフター / Hereafter』(原題)で1,202万ドル(約10億2,170万円)の売り上げ。マット・デイモンが主役の作品で、映画評論家たちの間で評判は上々だが、テーマが死という重い感のある作品のため、関係者が思っていたほどには人気が伸びなかったようだ。
第5位は、公開後4週目にしてまだトップ5で頑張っている映画『ソーシャル・ネットワーク』で728万ドル(約6億1,880万円)。落下率は29.5パーセントと持久力を見せており、公開後24日間の売り上げは推定7,291万ドル(約61億9,735万円)となっている。
さて今年は、週末がハロウィーンにあたるのでホラー映画で大盛り上がりか!? と思われがちだが、意外や意外、ラインアップは結構地味で今週末公開されるメジャーなホラー作品は1本のみ。近年のハロウィーン常連作品で、毎度おなじみになった映画『ソウ』シリーズ最新作となる映画『ソウ ザ・ファイナル 3D』だ。今回で何と7作目になるこのシリーズは、いよいよファン待望の3D仕様となっている。ジグソウの残虐な拷問の数々をサバイバルした若者たちが主人公になるという本作は、ハロウィーンの週末に公開されることから考えると、初登場第1位、あるいはトップにはなれなかったとしてもトップ3にランクインすることは、ほぼ間違えないとみられる。
今年はハロウィーン時の恐怖映画公開本数が少ないばかりか、公開される話題作の本数自体が非常に少ない感がある。チャート予想にあたって特筆に値する候補作品も、先週に引き続きまたもやたったの1本しかない。これもホリデーシーズンを目前にした嵐の前の静けさであろうか。(文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)