ロン・ハワード監督、新作の「不適切発言」は本編からカットしない決断
ロン・ハワード監督の新作『僕が結婚を決めたワケ』で、主人公が同性愛者をあらわす「ゲイ」という言葉を不適切に使っているとして、同性愛者団体が抗議していた問題で、ハワード監督が本編からこのシーンをカットしない決断を示した。
問題のシーンは、主演のヴィンス・ヴォーン演じるロニーがプレゼンテーションで「電気自動車はゲイみたいなもの」とジョークを語る場面で、同性愛団体やテレビの批評家などから「ゲイ」という言葉を否定的に使用しているとして問題視されたもの。この発言が取り上げられた後、本作の予告編や広告CMなどからこのシーンが削除されたが、ハワード監督は改めて、本編からはこのシーンを削除しない決定を下した。ロサンゼルス・タイムズ紙に手紙を綴ったハワード監督は、「主人公は時々、自分自身をトラブルに巻き込むような言動を起こす。言っていいことと悪いことをわかっていながらわざと発しているんだ。正しいことをしようとしながらも、うまくいかないんだ。そういうことって誰にでもあるだろう?」とコメント。予告編からシーンをカットしたのは、近年、同性愛者の若者の自殺率が高まっていることを懸念してのこととして、「この映画は成人向けで、子供向けじゃない。このジョークが映画そのもの、あるいは僕たち自身の意見を表していると捉えられるとは思ってもみなかった」と語っている。