『告発の行方』や『トップガン』のケリー・マクギリス、ホラー作品は自分の出演作品でも観ることができない?
映画『告発の行方』や映画『トップガン』などに出演し人気を博したケリー・マクギリスが、新作ホラー映画『ステイク・ランド / Stake Land』(原題)について共演者のショーン・ネルソン、コナー・パオロ、ニック・ダミチと共に語った。
同作は、ヴァンパイアの世界に陥り、廃墟と化していたアメリカで、少年マーティン(コナー・パオロ)の家族がヴァンパイアに襲われた時、彼はミスター(ニック・ダミチ)と呼ばれるヴァンパイア・ハンターに助けられる。そして、ミスターと共にヴァンパイアのいない安全な聖域を求めて、ヴァンパイアを倒しながら北へ向かっていくというホラー映画。ケリー・マクギリスは、マーティンたちに助けられる修道女役を演じている。
この映画でニック・ダミチは、俳優と脚本の両方を担当している。「もともと、ウェブ・シリーズとして5分間の映像を12エピソードで流す予定だったけれど、この映画のプロデューサーであるラリー・フェセンデンが、製作を担当してくれたおかげで長編作品に変えることができたんだ。ウェブ版の予定では現代を描き、政府も存在している設定だったが、長編に変えたことで、政府の役割が機能していない廃墟と化した世界に変えているんだ」とコンセプトを説明した。
撮影が始まってもケリー・マクギリスが演じた修道女役は決まっていなかったらしい。「この映画のキャスティング・ディレクターが、私を監督のジム・マイケルに推薦してくれて、それからジムが(私の出演を説得するために書いた)素晴らしい手紙と共に脚本を送ってくれたらしいけれど、脚本しか受け取った記憶がないのよ……(笑)。もともと私は、こういうホラー映画は苦手で、全然好きなジャンルではないの。ただ、脚本がすごく良かったので、出演を承諾することになったの」と述べたケリーは、この映画の試写も、怖くて途中までしか観ることができなかったそうだ。
アメリカの人気テレビドラマ「ゴシップガール」に出演しているコナー・パオロは「ニック・ダミチと共に撮影2か月前からトレーニングしていたんだけれど、ニックはこれまでボクシングやキック・ボクシングをやっていた経験があって、彼からこの映画のための戦い方をほとんど教わったんだ。それと、映画内のシチュエーションで戦い方が違ってくるから、それに対する柔軟な対処法や戦い方を訓練することにもなったんだ」とコナーが語る通り、映画内では杭(くい)を持って戦ったりするため、かなり特別な戦闘技術が必要でもあったようだ。
映画『フレッシュ』で子役として鮮烈なデビューを果たしたショーン・ネルソンもジムなどに通い、この映画のために鍛えたそうだ。『フレッシュ』から16年経つが、彼はあの頃の少年時代の面影を残していた。一方、ケリー・マクギリスは、グレイヘアーが特徴的で、かつての『トップガン』に出演した頃の金髪のイメージとは違って、月日の流れを感じさせられた。
(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)