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「戸塚ヨットスクール」の体罰は是か非か?訓練生死亡の真実に迫ったドキュメンタリー公開へ

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戸塚宏校長 映画『平成ジレンマ』より
戸塚宏校長 映画『平成ジレンマ』より - (C) 2010 東海テレビ放送

 約30年前、いわゆる「戸塚ヨットスクール事件」で世間を騒がせた愛知県美浜町にある戸塚ヨットスクールのこれまでと現在に迫ったドキュメンタリー作品が、来春劇場公開されることがわかった。「体罰は教育だ」と掲げ相次いで事件を起こした背景には、いったい何があるのか? 本作はその真実を多方面からえぐり出す興味深い作品だ。

 作品タイトルは『平成ジレンマ』。今年5月にテレビドキュメンタリーとして放送されたのだが、再放送を望む声が多く寄せられ、未公開シーンを追加し再編集した劇場用作品だ。「戸塚ヨットスクール」は1976年に開校し、非行や不登校などの情緒障害児を受け入れ、体罰やいじめを用いて更生を図っていた施設。しかし、1980年と1982年に訓練生の死亡事件が発生し、行方不明者も出た。この一連の事件で校長の戸塚宏をはじめ、コーチ全員が逮捕され、世間を震撼(しんかん)させた。

 驚くのは、本作では当時の訓練中の様子がはっきりと映し出されている点だ。校長やコーチは訓練生を罵倒し、顔にひざ蹴りを入れたり、思い切りにぶい音を立てるパンチで教育するといった目を覆いたくなるシーンも多い。しかし、出所してから年間70回におよぶ公演を続ける校長の姿や、現在は会社を経営している卒業生にも焦点を当て、同校の真実を多角的にとらえている。そして劇中に登場する卒業生は、「僕はいい経験させてもらった」と当時を振り返りながら心境を告白する。

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 体罰は「教育」か「暴力」か……。昨年、コーチらがちょっと目を離したすきに同校ビルの屋上から訓練生が飛び降り、死亡した事件もあった戸塚ヨットスクール。ニートや引きこもり、いじめや教育現場の崩壊などが社会問題になっている現代において、本作は一石を投じる作品であることは間違いない。監督は、光市母子殺害事件の弁護士に迫った作品などで高い評価を得ている齋藤潤一。ナレーションは歌舞伎俳優の中村獅童が担当している。

映画『平成ジレンマ』は2011年早春、ポレポレ東中野ほか全国順次公開

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