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“極悪バンド”モーターヘッドのフロントマン、レミー・キルミスターを追ったドキュメンタリー

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「オレたち極悪なのさ~!」グレッグ・オリヴァー監督(左)、ウェス・オーショスキー監督(右)
「オレたち極悪なのさ~!」グレッグ・オリヴァー監督(左)、ウェス・オーショスキー監督(右) - Photo:Yukari Yamaguchi

 映画『極悪レミー』のグレッグ・オリヴァーウェス・オーショスキーの両監督に話を聞いた。本作は“極悪バンド”モーターヘッドのフロントマン、レミー・キルミスターを追ったドキュメンタリーだ。

映画『極悪レミー』場面写真

 本作のプロデューサーでもある2人は、それぞれ違うスタンスから入ったようだ。すでに監督としての経験もあるオリヴァーは「何かいい題材を探していたところにウェスから話があったんだ。僕自身はレミーの大ファンというほどでもなかったんだよ」という。一方、オーショスキーは「もともと音楽誌の仕事をしていて、インタビューしたんだ。そのためにたくさん聞きまくった。それで一般の人が考えるより、ずっとすごいというのがわかった。極悪のイメージが先行してるけど、それ以上にロックンロールだよ」と熱く語る。

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 ドキュメンタリーの対象としてのレミーをオリヴァー監督は「とても協力的だったよ。3年半も追ったんだ。もちろん、ずっといっしょではないけど。いっしょには暮らさなかったから(笑)。そりゃあ3年半もの間には誰でもそうなるだろうけど、たまにはウンザリして、あっち行けみたいなこともあって、それも映画の最後に見られるよ」「レミーに限らず、これだけ長くアーティストといっしょだと、大嫌いになるか大好きになるか、どちらかなんだ。以前1年半追って大嫌いになったアーティストもいた。でもレミーは音楽も人間としても大好きになった。面白くて、スマートで、優しくて、極悪なロックンロールスターなんだ」という。

 確かに本作は、耳をつんざく大音響で有名なモーターヘッドや、ドラッグとアルコールのライフスタイル、関係を持った女性の数1200人とも2000人とも言われる女遊びの激しさなどから極悪とも呼ばれるレミーの、違った面もとらえている。ある日突然現れたという息子に接する様子や、若き日に失ったガールフレンドの逸話など、その強面の外見を裏切るような、優しい顔が見える。メタリカとのライブやフーファイターズデイヴ・グロールとのセッションなど、ベースをギターのように弾くレミー独特のパフォーマンスもたっぷり楽しめ、アリス・クーパービリー・ボブ・ソーントンなどコメントを寄せる面々の濃さも見所だ。

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 「ヘビーすぎて拒否反応をおこされがちだけど、まずは経験してみて欲しい。そうしないと良さもわからないんだ」というオーショスキー監督に、オリヴァー監督も「日本には、たくさんモーターヘッド・ファンがいる。もうすでに良さはわかっていると思うけど、ファンはこれを見たら、もっと好きになるし、ファンじゃなければファンになるはずだ」と日本公開を心待ちにしている両監督だ。
『極悪レミー』は世界に先駆けて12月3日からシアターN渋谷ほかで公開予定。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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