カルトホラー映画の女王イングリッド・ピットさんが死去
映画『ドクトル・ジバゴ』や映画『荒鷲の要塞』などで活躍したホラー映画の女王、イングリッド・ピットさんが23日、死去した。享年73歳。
イングリッドさんはロンドンで倒れ、病院に運ばれたがそのまま亡くなったという。医師によると、イングリッドさんは心臓疾患を抱えていた。先月10月5日には、イングリッドさんの出演作『バンパイア・ラヴァーズ』の監督、ロイ・ウォード・ベイカー監督が93歳で亡くなったばかり。
イングリッドさんは第二次世界大戦前にポーランドで生まれ、戦時はナチスドイツにより強制収容所へ入れられた過去を持つ。絶望の時代を生き抜き成長したイングリッドさんは、物を書いたり演技をすることで成功したいと夢見るように。やがてステージ・デビューする機会を得るが、デビュー予定の夜、今度は共産主義となった東ドイツ当局から追われるという壮絶な半生を送った。
1968年、クリント・イーストウッドやリチャード・バートンと共演した映画『荒鷹の要塞』で映画のキャリアが花開き、以後、映画『鮮血の処女狩り』や映画『ブラッド・ゾーン』など、イギリスの名門ホラースタジオ、ハマー・フィルムの人気看板女優となった。
イングリッドさんは1973年の映画『ウィッカーマン』へも出演しているが、監督のロビン・ハーディはイングリッドさんについて「素晴らしい記憶ばかりが残っている。あらゆる意味で魅力的な女性だった。女優としても人としてもまじめな人だった。彼女が逝ってしまって悲しく思うよ」と語っている。