水嶋ヒロが辞退した2,000万円、一部は被災した奄美大島に!甲斐よしひろは「映画に出資しない?」とポプラ社に電話!!
6日、新宿区のポプラ社にて「九州少年」文庫化&映画『照和 My Little Town / KAI BAND』の公開を記念して、甲斐バンドのボーカル甲斐よしひろのトークショーが行われた。
映画『照和 My Little Town / KAI BAND』写真ギャラリー
本映画は、デビュー35周年を記念して昨年再結成された甲斐バンドが、長渕剛やチューリップなどを輩出した伝説のライブハウス「照和」で3日間にわたるライブを行った様子を収録したドキュメンタリー作品。くしくも「照和」をテーマにした映画と文庫本が同時期に公開・発売されたことについて甲斐は、「本の内容としては、僕らがデビューするときに福岡を出ていくところで終わるので、映画が同時期に公開されるのはいいタイミングですよね」と感慨深い様子。そして照和という伝説のライブハウスにスポットが当たっている両作品について「照和という名前は聞くけど、実際にどういう感じなんだろうと思っている人は多いと思うんです。照和の真実が明らかにされていないので、甲斐バンドのフィルターを通して照和をひも解くというテーマに賛同しました」と本作に参加した思いを語った。
この日は、「九州少年」文庫本の販売元であるポプラ社の名物社長・坂井宏先氏も出席。ポプラ社といえば、15日発売予定の水嶋ヒロ(作家名は本名の齋藤智裕)の作家デビュー作「KAGEROU」の出版元として注目の出版社だが、話は自然と水嶋の話題に。「ま、あれは新人賞みたいなものなんですけどね。やるなら大型新人を出したいと思っていたんですよ。そこそこうまくて75点のものよりも、55点でも将来的に95点になるような素材を探し出すんですよ」と新人を選ぶときの秘けつを披露。大賞を獲得した同書の編集作業も「相当やらしてもらいましたよ」とのことで、大賞を受賞したのに直す必要があるのかと水嶋は疑問に思ったようだが、「どんな大作家でもいい編集者がついて名作というものは生まれるんです。黒子があって初めていい作家は生まれるんですよ。会社が総力を挙げるかどうかも重要です。もちろん『九州少年』は総力を挙げてバックアップしていますけどね」と笑いながら語る坂井社長。これまで「かいけつゾロリ」などを手掛けた名物編集マンの社長ならではの作家論に、会場は熱心に耳を傾けていた。
そして水嶋といえば、賞金の2,000万円を辞退したことも話題となったが、それを聞いたとき甲斐は編集部に電話をかけ、「そのお金を映画に出資する気はないか?」と言ったとコメントし、会場を沸かせた。甲斐の耳にも、全社員で分けたとか、うちに出資しないかとアプローチがあったらしいといううわさが入ってきたらしいが「いろいろありましたよ。奄美大島が大雨で全滅したので、(水嶋の希望で)500万円以上のお金を送ったんですよ。彼が偉いのは、そういうことは表に出さんでくれ、ポプラ社に任せるからと。水嶋さんはナイスガイ。とってもいい人だった」と彼の人柄を明かす坂井社長だった。
映画『照和 My Little Town / KAI BAND』は12月18日よりシネセゾン渋谷ほか全国公開
文庫本「九州少年」はポプラ社より発売中