内田有紀、年下オトコ翻弄の大胆セリフも「問題ではなかった」と胸中明かす!
芥川賞作家、絲山秋子の同名人気小説を映画化した『ばかもの』で、成宮寛貴が演じる年下の男を振り回すヒロインを好演している内田有紀が、本作に懸けた情熱を語った。
本作で内田が演じる女性・額子は、勝気な言動と自由気ままな行動で、主人公のヒデこと秀成(成宮)を翻弄(ほんろう)する。中でも、額子がヒデを公園の木にくくり付け、大胆なセリフを口にする別れのシーンは強烈だ。額子の不器用さゆえのセリフだが、内田はそれほど問題ではなかったという。
「あの言葉は女性だからこそ言えるセリフだと思いますし、男性よりも女性の方が繊細な感覚が研ぎ澄まされているんだぞっ! て、とても感じた一言でした。あのセリフを言っちゃえる額子が好き!」と内田は言い切った。「額子は本当に彼のことがどうしようもなく好きになっちゃったんだなって思ったんですよね。だから、どうしたらいいかわからなくて、めちゃくちゃな別れ方を選んでしまう。そんな彼女が持つ『痛み』がいとおしかった」という内田は、演じることで額子という女性を救ってあげたかったのだという。
1992年にデビューして以来、劇作家・つかこうへいさんの劇団に参加するなど本格派女優としての実力をはぐくんできた内田は、「30代に入ってから、役づくりすることがすごく楽しくなってきた」とうれしそうに語る。自分が演じるキャラクターを深く分析して、日常動作の一つ一つまでニュアンスにこだわる。そんな作業がとても楽しいのだという。
本作の額子に関しても、ただ大胆なセリフを吐くのではなく、「女」という生き物の美しさや汚らしさ、そして強さを繊細な演技で表現してみせた。「芝居のことをこんなに好きになるなんて、10代から20代前半の自分では考えられなかった」との言葉通り、今の内田は演技を全身で楽しんでいるようだ。そんな彼女が演じた、不器用ながらも真っすぐなヒロインから放たれる、強烈な「生」のエネルギーを本作で感じ取れるはずだ。
映画『ばかもの』は12月18日より全国公開