75歳ウディ・アレン、「あと50本作れる!」とニューヨーク愛赤裸々告白!
記念すべき40作目の監督作となる最新作映画『人生万歳!』で、久しぶりにウディ・アレンがニューヨーク(NY)に帰ってきた。本来NYの代名詞ともいえる75歳のアレン監督は、ここ5年間イギリスやスペインで作品を撮っていた。そして久しぶりに戻ったNYへの愛や、NYだからこその苦労についてアレン監督が語った。
Q:NYでの撮影を5年間もしていませんでしたが、久しぶりに戻ってきていかがですか?
NYで撮影するのはやっぱり最高だからね。本当に大好きなんだ。もっとNYで撮影できたらと思うけど、でも難しいんだ。
Q:なぜ難しいんですか?
すごくお金が掛かるんだ。僕みたいな低予算の映画を撮る人間にとってはNYは高過ぎる。同じ予算でロンドンやバルセロナだったらもっといろいろできるからね。
Q:でもNYで撮影することは、あなたにとって特別意味のあることなんですよね?
もちろんだよ。僕が住んでいる場所だし、僕の知っているものすべてがここにある。友達も皆ここにいる。
Q:『人生万歳!』の舞台で久しぶりに戻ったホームタウン、NYについて語ってください。
『人生万歳!』の脚本を書いていた5年前、僕はNYだけで撮影していたので、ほかの場所は思いつかなかった。当初はアッパー・イーストサイドのアパートを捨てて、イーストビレッジに引っ越す男の話だったんだけど、チャイナタウンの方が絵になると思ったから、舞台をチャイナタウンに変更したんだ。でもマンハッタンであることには変わりない。僕のロマンチックな映画はすべてNYが舞台で、NYという都市を登場人物の一人だと僕は考えているんだ。NYが舞台の映画をあと50本作ることができるよ。NYそのものが想像をかき立てる存在なんだ。朝マディソン・アべニューへ散歩に行って、仕事に行く人々や学校へ行く子どもたちを眺めるだけでたくさんのアイデアがわいて、もっとこの街について語りたくなる。僕は長年アッパー・イーストサイドに住んでいて、子どもたちはここの学校に通っている。僕の人生全部がニューヨークにあるんだ。ここでは、仕事が終わった後は家に帰ることができる。家に帰って寝室のベッドの自分だけの特別な場所で眠ることができるんだ。
そんなアレン監督の愛があふれるNY舞台作『人生万歳!』。悩める主人公たちのさまざまな恋愛模様が描かれ、最後は、「うまくいけば何でもあり!」という運命と人生、恋愛、そしてNYを祝福する恋物語に仕上がっている。出演者はラリー・デヴィッド、エヴァン・レイチェル・ウッド、パトリシア・クラークソンなど。(取材・文:中山治美)
映画『人生万歳!』は恵比寿ガーデンシネマほか全国順次公開