オスカー最有力『英国王のスピーチ』米ではR指定!「ののしり」をカットした再編集版を公開か?
今年のオスカーで最多12部門のノミネートを受け大きな目玉作品となっているイギリス映画『英国王のスピーチ』で、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインはアメリカでより広い範囲の観客に観せられるようにするため「ののしり言葉」の少ない再編集版を作る予定であることがわかった。
本作は、幼いころから吃音でうまく話ができない内気な王が、言語セラピストの治療を経て、重大な戦争開戦のスピーチに挑む物語。思い通りに言葉が出ず苛立ちを表す王と、汚い言葉遣いやののしり言葉を使って王の発声を直していくセラピストの関係が注目だが、この「言葉づかい」が問題となり、アメリカでは、17歳以下は保護者同伴でないと見られないR指定を受けている。ガーディアン紙(電子版)によると、ワインスタイン氏はこの映画をアメリカでより広い範囲の観客に見せられるようにし、家族ぐるみで見てもらいたいと考えており、汚い言葉の部分をカットした再編集版を公開するという。ワインスタイン氏はロサンゼルス・タイムズ紙で、「イギリスでは家族が一緒にこの映画を見られるから、観客数も膨大だ。トム・ホッパー監督とともに、(再編集しても)この映画のビジョンを保っていける方法を探しているところだ」と語っており、現在のR指定を、子どもが鑑賞する際は親の監督が必要となるPGー13やPGというレートに下げたいと考えているそう。
この作品、実は本国イギリスでも公開前にレートが引き下げられている。当初、やはり「ののしり言葉」が原因で15歳以下は鑑賞できない「15」というレートを付けられていたが、その後、製作側がレート決定機関BBFCへ抗議。BBFCは再考の結果、「ののしりが特定の人物に向けられているわけではないという結論に至った」として、特に再編集などはされないまま、レートを12歳以下は大人同伴で鑑賞可能の「12A」へ引き下げている。