ロッテルダム国際映画祭、ベスト10内に『十三人の刺客』含む邦画2本が!オスカーノミネート作ひしめく中
第40回ロッテルダム国際映画祭の観客賞の結果が現地時間6日発表され、本年度の米国アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされているデニス・ヴィルヌーヴ監督のカナダ映画『アンサンディ(原題) / Incendies』が、5ポイント満点中4.739ポイントという高ポイントで1位に選ばれた。同作品には賞金1万ユーロ(約111万円)が贈られる。2位にはスペイン人俳優ハビエル・バルデム主演『ビューティフル BIUTIFUL』、4位にナタリー・ポートマン主演『ブラック・スワン』とアカデミー賞ノミネートの話題作が上位に並んだ。
同映画祭では12日間の会期中、世界各国から集められた本年度の話題作や新鋭監督の長短編が合わせて約700本が上映され、今年は34万人の観客が訪れた。その彼らが上映後、ベリー・バッド(1ポイント)からベリー・グッド(5ポイント)までの5段階評価で作品をジャッジする観客賞は、評価が数字となって表れるだけに映画祭で最も注目が集まる。
日本作品からは今年、北野武監督『アウトレイジ』や園子温監督『冷たい熱帯魚』など36作品が出品された。そんな中、日本作品のトップは、8位の三池崇史監督『十三人の刺客』で4.471ポイント。続いて9位に性同一性障害の現代アーティスト・ピュ~ぴるの8年間に密着したドキュメンタリー『ピュ~ぴる』が4.443ポイントを獲得。ベスト10内に日本作品が2本入る大健闘となった。
またワールドプレミア上映を行った井口昇監督『電人ザボーガー』は一時、暫定4位となったが最終結果は15位(4.321ポイント)。それでも日本作品では3番目、さらには韓国のイ・チャンドン監督『詩』の17位(4.301ポイント)はもちろん、ソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』の93位(3.764ポイント)、仏のジャン=リュック・ゴダール監督『フォルム・ソーシャリズム』の186位(2.484ポイント)ら世界の名匠たちの作品を遙かに上回る順位で、堂々と胸を張れる結果と言えそうだ。(取材・文:中山治美)
映画『ピュ~ぴる』は3月26日、『電人ザボーガー』は初夏公開