竹野内豊が演じた大場栄大尉はヒーローではない!平山秀幸監督が断言
映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』のメガホンを取った平山秀幸監督が9日、日本外国特派員協会(東京・有楽町)で会見を行い、竹野内豊が演じた本作の主人公である大場栄陸軍大尉は「ヒーローではない」と語った。
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大場大尉は太平洋戦争中、激戦地の一つであったサイパン島で、たった47人の兵力で4万5,000人もの米軍を翻ろうした実在の人物。アメリカ軍は大場大尉のことを畏敬の念をこめて「フォックス」と呼んでいた。本作はドン・ジョーンズの原作を基にしているが、当時の日本側の資料はほとんど存在しておらず、当初は平山監督も大場大尉像をいかに描くか思案に暮れたという。
しかし、撮影前に聞いた大場大尉の息子さんの「父は無口で、野武士のような人だった」という言葉がインスピレーションを生んだようで、平山監督は「アメリカに山のように残された資料には確かにかなわないが、大場大尉像を作る上でカギになった」と振り返った。また、本作は大場大尉を単純にヒーロー視する映画ではないとも断言。「戦時中は“玉砕”や“自決”が重んじられた。その状況で兵士と民間人の命をちゃんと守って持ち帰ったことは、名誉とか不名誉とか関係なく、ものすごいこととしか言いようがない」と力説した。
『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』は実話を基に、大場大尉をはじめ、極限状態から生きて帰ることを願った日本人兵士たちの過酷な奮闘をダイナミックに描く超大作。大場大尉の誇り高き姿が日本人だけでなく、アメリカ人の心も動かしていくさまが見どころだ。平山監督は「この作品が若い世代への“たすき”になれば」とコメント。会見では、USユニットのメガホンを取ったチェリン・グラック監督と熱い握手を交わす場面も見られた。
映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』は2月11日より全国公開