ベルリン映画祭がイラン政府に猛抗議、パナヒ監督に対する判決は言論・表現の自由への侵害!
ベルリン国際映画祭は、イランのジャファル・パナヒ監督とMohammad Rasoulof監督に対する判決は言論・表現の自由への侵害であるとして、強く抗議することを発表した。 両監督は反体制派と見なされ、禁錮6年と20年の映画製作禁止の判決を下されている。
第60回だった昨年、61回となる今年と、同映画祭はパナヒ監督の参加をイランに阻まれている。イランの現状を描いた作品群で知られるパナヒ監督は、『オフサイド・ガールズ』で2006年に同映画祭の銀熊賞を受賞している。昨年は「イランの映画」と題された討論会に論客として招待されるも、イランからの出国許可が下りず参加できなかった。その直後の3月に逮捕され、映画祭から抗議声明が出されたほか、世界中の映画人が嘆願書に名を連ねた。そのかいもあったのか、5月にいったんは釈放されている。
今回、パナヒ監督は、金熊賞、銀熊賞の行方を決める審査員として選出されていた。だが、審査員発表のすぐ後に判決が下り、またもや参加の可能性を断たれた形となる。映画祭では審査員の座をそのまま残すことでも、パナヒ監督への支持を表明している。また、パナヒ監督映画5本をコンペティション、パノラマ、フォーラムなど主要部門で上映するとともに、討論会などのイベントを組み、訴えかけていくことも発表されている。
第61回ベルリン国際映画祭は2月10日から20日まで開催予定。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)