アカデミー賞候補者のための昼食会が開催!授賞式を前にスターたちが集合!
第83回アカデミー賞
米国西海岸時間2月7日、ザ・ビバリー・ヒルトン・ホテルにて第83回アカデミー賞候補者を一同に集めた昼食会が開かれ、その様子がアカデミー賞のオフィシャルサイトなどでストリーミング生中継された。今回の中継の目玉としてFacebookを通じて映画ファンから事前に募った質問をもとにした候補者たちへのQ&Aなども行われ、セレブの素顔が垣間見られるイベントとなった。
午前11時30分を少々過ぎて始まった質疑応答のトップバッターは映画『ビューティフル BIUTIFUL』で主演男優賞候補になっているハビエル・バルデム。「長いことダークな主人公を演じていて、撮影後に普段の自分に戻るのは大変だったのでは?」という質問に、「普段の気持ちに戻るまでに6か月はかかったね。毎日毎日、主人公の気持ちになって演技しているわけだから当たり前なんだけど、かなり大変だった」と答え、役者という仕事がいかに重労働であるかを感じさせた。
映画『キッズ・オールライト』で助演男優賞候補となっているマーク・ラファロは、「ノミネートされた現在の気持ちは?」と質問されて、「貧乏役者だったから、タダでランチにありつけてうれしいよ!」とおどけたコメント。一方、主演女優賞にノミネートされているアネット・ベニングは、「この作品で一人でも多くの人がゲイのカップルの子供たちも、そうでないカップルの子供たちとまったく同じで、なんの隔たりもない存在なんだということを理解してくれればうれしい」と本作について真面目に語った。
映画『トゥルー・グリット』で、去年に続いて今年も主演男優候補となっているジェフ・ブリッジスは、候補となったこと自体が名誉なことで、賞を争っているつもりはないとした後「とにかく楽しんで、あまり真剣にとらえすぎないことにするよ」とオスカーへ望む姿勢語り、余裕のあるところを見せた。
また、『英国王のスピーチ』で主演男優賞にノミネートされたコリン・ファースも去年主演男優賞候補になった身。昼食会は慣れたものかと思いきや、やや緊張した面持ちで登場すると、直前に会見した助演男優候補の共演者ジェフリー・ラッシュに対し「僕の会見ネタを全部使ってくれてありがとう。おかげで言うことがなくなっちゃったよ!」とぼやいて会場を笑いに包んだ。
そして、今回コリン以上に会場を沸かせたのは、映画『ソーシャル・ネットワーク』で主演男優候補となったジェシー・アイゼンバーグだ。記者から、「アカデミー賞にノミネートされて毎日忙しいと思うけれど、どんな気持ち?」と質問されると、ユダヤ系アメリカ人のジェシーは「本当に多忙です!僕が13歳になった時にバル・ミツワー(ユダヤ教徒の成人式)をやったんですが、自分はもちろん、同年代の友人たちの式にも招かれまくってユダヤ教ざんまいだったころを彷彿(ほうふつ)とさせますね」とユダヤ系が多いことで知られるハリウッド映画業界を念頭においたユーモアをさく裂させ、一同大爆笑となった。
本音といえば映画『127時間』の迫真の演技で主演男優賞候補となっているジェームズ・フランコは「本作の撮影は身体的にも大変だったのでは?」という質問に「本当に大変だったよ!」と応えた後、大岩に腕が挟まれ、なんとか動かそうともがく場面を撮るときに、監督の指示通りに20分間以上にわたって本気で岩と格闘し続け、手も腕もアザだらけになったというエピソードを披露した。
それぞれに精魂込めたパフォーマンスで候補者となっただけでも、素晴らしい実績であることは間違いないアカデミー賞。そんな功績を残した候補者たちの、昼食会でのリラックスした姿や、質疑応答にユーモアを交えた素直な反応を見せる様子を見た映画ファンたちは、アカデミー賞を今まで以上に身近な存在に感じたことだろう。
アカデミー賞授賞式は、現地時間2月27日にコダック・シアターで開催。日本ではWOWOWにて2月28日午前9時30分より生放送される。
(文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)