ビリー・ワイルダー作品のジャック・レモンのような役?「The Office」のエド・ヘルムズが新作映画について語る!
アメリカ版テレビドラマ「The Office」で活躍中のエド・ヘルムズが、主役を演じた新作『シーダーラピッズ(原題) / Cedar Rapids』について、共演者アン・ヘッシュ、イザイア・ウィットロック・Jr、アリア・ショウカット、そして監督のミゲル・アルテタと共に語った。
エド・ヘルムズ出演映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』場面写真
同作は、これまで小さな街から全く出たことのない保険営業マンのティム(エド・ヘルムズ)が、会社の若い社長が急死したために、代わりに保険会社のコンベンションの行われるアイオワ州のシーダーラピッズに向かうことになる。ところがホテルに着いてみると、3人部屋に入れられたり、個性的なライバル(イザイア・ウィットロック・Jr、ジョン・C・ライリー)や、妙に親しく女性(アン・ヘッシュ、アリア・ショウカット)が近付いてきたりして困惑し始める。はたして彼は自分の会社のためにライバルを蹴落として、コンベンションで健闘した会社に贈られる"Two Diamonds"という賞(アワード)を受賞できるのだろうか?というコメディ作品。
この映画を監督するうえで、ビリー・ワイルダーやプレストン・スタージェスなどの監督からの影響を受けたかという質問について、監督のミゲルは「僕はハリウッドの黄金時代の大ファンで、悲しいかな、クラシック映画を鑑賞していることのほうが多い。だから、そういってもらって嬉しいね。この主役ティムのキャラクターは、どこかそんなクラシック映画のキャラクターのような要素があるんだ。それが、僕がこの脚本を読んだときに惹かれた部分でもあったんだ。ある意味、ビリー・ワイルダー作品に出てくるジャック・レモンのようなキャラクターなんだ。どこにでもいるような男だが、素晴らしいコメディのスキルを持っているということだ。だからエドが映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』で、(ジャック・レモンのように)巧みな演技を披露しているのを観たとき、エドを主役にした映画を撮りたいと思ったんだよ」と答えた。それから3か月後にこの企画が依頼され、エドを主役に映画を製作することになったそうだ。
このティム役を演じるうえで大変だったことについてエドは「彼は全く皮肉を言わず、無神経でもなく、ある意味最後の理想主義者と言えるような人物で、そんなキャラクターに入り込んでいくことは、自分の理想を満たしたような感覚だったよ。というのも、僕らの住んでいる世界は、不正や堕落した部分があるからね。だから、このような男がいることが、人類に希望の光を与えているようで、僕にとっては(演じることが)楽しかった」と気に入ったキャラクターであったようだ。
アン・ヘッシュが演じたジョアンは、なぜティムに惹かれたのだろう? この点について「この役ジョアンは、母や妻であることをわずかな時間だけ忘れて、このコンベンションには冒険するような気持ちで参加するの。彼女はティムに最初は驚かされ、徐々に彼の価値観を見ながら、ティムが正真正銘のスウィートな人物であること知っていくの。逆にティムは彼女と接することで感情的になっていくけれどね……。ただ、ジョアンとっては、この冒険で真の友達(ティム)を見つけることになるの」とアンは説明した。
映画は、個性的なキャラクターが繰り広げる幅の広い演技が注目の作品に仕上がっている。最後にエド・ヘルムズはジョン・スチュワートの「ザ・デイリー・ショー」や「The Office」などのテレビ番組が、彼のキャリアを形成させたとも語っていた。今後のエド・ヘルムズの活躍に期待したい。
(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)