渡辺謙さん出演映画『インセプション』がアカデミー賞視覚効果賞を受賞!
第83回アカデミー賞
現地時間27日(日本時間28日)、第83回アカデミー賞授賞式が行われ、渡辺謙が出演した映画『インセプション』が視覚効果賞を受賞した。さきだって発表された全米視覚効果協会賞で最高賞を受賞し、本部門においての受賞が確実視されていた。
クリスファー・ノーラン監督が自身で脚本を手掛けた本作は、人の夢の中に入り込み、その人物のアイデアを盗み出す企業スパイの姿を描いたサスペンス・アクション。何層にも重なる夢の世界を舞台に繰り広げられる物語を、斬新な脚本と映像で見事に表現し、ゴールデン・グローブ賞をはじめ、数々の映画賞でノミネートや受賞を重ね、今回のアカデミー賞でも8部門でノミネートを果たし、話題となった。
ノーラン監督はCGにとどまらず、例えば無重力状態での格闘シーンを撮影するために実際に部屋が回転するセットを作ったり、蒸気機関車が街を疾走するシーンでは、実際に機関車を走らせるなど、人の意識によって目まぐるしく変化していく夢の世界を、アナログな手法を大胆に用いながら、効果的に描き出し、その映像表現は高い評価を得ていた。
渡辺謙の出演作がアカデミー賞を受賞したということも、日本人としては非常に喜ばしいところ。本作に関するインタビューで渡辺は、無重力状態のシーンで人物が浮いている状態を完ぺきに表現するため、どうしても下に引っ張られてしまうズボンのすそを針金で浮かしたり、靴ひもにも針金を入れて撮影に臨んでいたことなどを明かし、本作の映像表現に対するこだわりを非常に感心した様子で語っていた。2006年の映画『硫黄島からの手紙』に続いて、アカデミー賞受賞作品に出演した渡辺。その手でオスカー像をつかむ日も、そう遠くはないかもしれない。