事故多発のミュージカル「スパイダーマン」 安全基準違反で罰金
スタントマンが約9メートルの高さから落下して病院に搬送されたり、悪役を演じていた女優が小道具を支えるロープで頭を打って脳しんとうを起こすなど、事故が多発しているミュージカル「スパイダーマン」に罰金が科せられた。
調査の結果、米労働省の労働安全衛生局は同ミュージカルが職場の安全基準に違反していると判断。落下の危険性や飛行シーン中に物にぶつかる危険性などを指摘し、3項目での違反を記録し、合計で1万2,600ドル(約103万円)の罰金を支払わなければならなくなった。しかし、このミュージカルの製作費は6,500万ドル(約54億円)という巨額なため、103万円の罰金は痛くもかゆくもないだろう。現段階で製作側にとって一番痛いのは、開幕が遅れること。(1ドル82円計算)
ミュージカル「スパイダーマン」はキャストのケガと降板、ブロードウェイ史上最高額へと膨れ上がった製作費などトラブル続きで開演が何度も順延されてきた。プレビュー公演は行われており、3月15日に正式な開幕が予定されているが、舞台監督のジュリー・テイモアは「まだ完成したとは言えない」とニューヨーク・タイムズ紙にコメント。6度目の順延もあり得るようだ。