青い3人組ことBLUE MAN GROUPは和太鼓がルーツ 太鼓芸能集団・鼓童と夢のコラボが実現
パフォーマンス集団BLUE MAN GROUPと太鼓芸能集団・鼓童がコラボレーションしたWOWOWスペシャルステージ「ブルーマン×鼓童BLUEMAN MEETS 和太鼓」の公開収録が3月29日六本木ブルーマンシアターで行われ、BLUE MAN GROUPが影響を受けたという和太鼓とのコラボレーションを披露した。同公演の模様は5月2日にWOWOWにて放送される。
同公演では、BLUE MAN GROUPによる下水管をテーマにしたパフォーマンス、直径4尺(約121.2センチ)に及ぶ平胴太鼓を用いた鼓童によるパフォーマンスがまず行われ、その後、ドラムと和太鼓という東西の打楽器をBLUE MAN GROUPと鼓童が同時に演奏するというコラボレーションをお披露目。和太鼓の重低音と絡み合うドラムの響きに加え、照明をふんだんに使った舞台上ではBLUE MAN GROUPが和太鼓を、鼓童メンバーがドラムを叩くというほかでは見ることのできないステージングを目の当たりにし、観客は大盛り上がり。さらに終盤、ペイント塗料を用いたパフォーマンス中には観客席後部から放たれたロールペーパーが、観客の手を介してステージへ届けられるという観客をも巻き込んだステージが展開された。ここに至っては隣り合った他人が協力するという光景も見られ、観客は、ステージ上のパフォーマーとだけでなく、観客同士での連体感も感じているようだった。
それ以外の場面でも、BLUE MAN GROUPのパフォーマンスではロック・コンサート顔負けのコール&レスポンスが行われ、一方の鼓童も負けじと中心メンバーである齊藤栄一が、トークや小太鼓を用いたパフォーマンスで笑いを取るなど、観客との一体感、観客同士での連帯感を意識した舞台作りが行われていた。BLUE MAN GROUPと鼓童は、生まれた国や使う楽器は異なれども、どちらも根深いところでは同じものを共有していることがうかがえる舞台となった。
だが、二つの演奏集団に共通点が多いのは偶然ではない。実は、BLUE MAN GROUPの創始者の一人であるフィル・スタントン氏によると、グループ創設以前に鼓童の公演を見たことがあり、それがドラムパフォーマンスを取り入れるきっかけになったのだという。そして、和太鼓という日本の伝統文化に影響を受けたのは、「何人かの人間が協力して、一つのものを創り上げる」ということ。観客を巻き込むというステージングも、元をたどれば日本の文化に行き着くというのは意外かもしれないが、今回のコラボを見た人ならば納得するはずだ。
BLUE MAN GROUPのパフォーマー、アダム・エードッシーは個人的に鼓童のワークショップに参加したこともあるという。その後、齊藤との師弟関係を築いたことが今回のコラボに発展したという経緯もあるらしい。スタントン氏は、今年で劇場公演デビュー20周年を迎え、今や世界各国で人気を博している同グループにとって、今回のコラボは「新しい時代のきっかけとなるだろう」と語っており、その言にたがわぬパフォーマンスが、ステージ上では展開されていた。今回のステージはGWにWOWOWにて放映を予定しており、番組の題字をNHK大河ドラマ「風林火山」のタイトルを手がけ、鼓童とも関わりのある注目の書家・柿沼康二が担当することが決定している。(編集部・福田麗)
WOWOWスペシャルステージ「ブルーマン×鼓童BLUEMAN MEETS 和太鼓」は5月2日22時よりWOWOWにて放送