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上川隆也、役者を続ける理由…「カチンコの音を聞くためにやっているのかもしれない」

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役者としての姿勢を語った上川隆也
役者としての姿勢を語った上川隆也 - 衣裳:KATHARINE HAMNETT LONDON スタイリスト:黒田匡彦

 WOWOWの連続ドラマWにて昨年10月から放送された「マークスの山」がDVD発売されるにあたり、主人公で白いスニーカーがトレードマークの刑事、合田雄一郎を演じた上川隆也が役者としての姿勢を語った。

 「マークスの山」といえば、過去には映画化されたこともある骨太な社会派人間ドラマ。脚本を読んだ上川は当初、登場人物の多さや複雑に入り組む人間関係について「脚本を一読して、僕自身が全体図をすぐには把握できなかった。これだけの脚本を監督はどうまとめるのだろう?」と映像化は困難なものになると思ったという。しかし、「出来上がったものを観て、僕の心配は杞憂(きゆう)に過ぎなかったとわかりました。僕は普段、あまり自分の出ている作品を進んで観る方ではないんですが、今回はすべてを食い入って観ました。監督には良い意味で裏切られましたね」と演じた上川自身が緻密(ちみつ)に作られた作品に大いに引き込まれた様子。

 さらに、9か月たった今でも鮮明な記憶として残っているという撮影を振り返って、「冷たいものって、冷たさが過ぎると、熱く感じたりしますよね。そういう熱さのある現場でした。冷静さも失っていないんだけれども、とてつもなく熱い。相反するものがあるというか……」と回想。それは役者・上川隆也自身の姿勢とも通じるものがあるそうで、「どの役でもそうなんですが、いつもどこかで冷静に客観視している自分がいるんです。その役に成り切るのではなく、その役に寄り添って、一緒に物事を見ている視線があるとでもいうんでしょうか」と自ら分析してみせた。

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 そんな上川が演じた合田雄一郎は、愛用のスニーカーを毎日自分の手で洗うことで、その日一日を振り返り、刑事としての実感を得る。それに対し、上川が役者という仕事を実感する瞬間は「OKのカチンコの音を聞いたとき」だという。「その日決められた撮影があって、10回なら10回のカチンコを聞く。その積み重ねが僕にとっての仕事の実感だと思います。その音を聞くためにやっているといえるかもしれません」。

 決しておごることなく、ひたむきに役に寄り添う上川だからこそ、シリアスな作品からコミカルな作品まで幅広く演じることができるのかもしれない。その上川の魅力は、暑い夏の盛りに全身全霊を懸けて取り組んだ本作にもしっかりと刻み込まれている。(写真・文:小島弥央)

ドラマ「マークスの山」は6月22日DVDリリース&レンタル開始、「マークスの山 DVDコレクターズ・BOX(3枚組)」は税込み9,800円

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