園子温監督最新作『恋の罪』、カンヌ映画祭監督週間正式出品 水野美紀主演で猟奇殺人事件を描いたR18+作品
今年公開の映画『冷たい熱帯魚』がヒットを記録した園子温の最新映画『恋の罪』が、第64回カンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されることが明らかになった。実在の事件にインスパイアされたという本作は、渋谷ラブホテル街の事件を通して、3人の女の生きざまを描ききった作品で、主演は水野美紀。同映画祭での公開が世界初披露となる。
本作は、映画『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』同様、実際にあった猟奇殺人事件を基に、園監督が脚本・監督を務めたセンセーショナルな作品。21世紀直前に起きた渋谷円山町ラブホテル街の事件にかかわった女たちを水野美紀、冨樫真、神楽坂恵の3人の女優が熱演し、セックス、言葉、狂気、生と死、家族を通して、彼女たちの姿に迫った衝撃作だ。お笑いコンビ・アンジャッシュの児嶋一哉も出演している。
園監督は2009年に『愛のむきだし』でベルリン国際映画祭出品、翌2010年には『冷たい熱帯魚』をヴェネチア国際映画祭に出品しており、今回自身初のカンヌ映画祭出品が決定したことにより、世界3大映画祭に3年連続出品という快挙を成し遂げた。前作『冷たい熱帯魚』は、日本でスマッシュヒットを記録したほか、北米では最大級の映画館チェーンAMCシアターズ35館以上という邦画にしては大規模での公開が決定し、さらにはイギリス・フランス・ドイツ・香港での公開も決定している。
過去にジム・ジャームッシュやソフィア・コッポラといった世界を代表する映画監督も参加したことのある監督週間への出品が決まったことは、園監督にとって世界に羽ばたく大きなチャンス。映画『愛のむきだし』以降、1年に1作という多作ぶりを発揮しつつも、発表された作品どれもが話題になっている園監督の最新作だけに、国内はもちろん、海外からも注目が集まっている。(編集部・福田麗)
映画『恋の罪』は11月、テアトル新宿ほか全国公開