『となりのトトロ』『魔女の宅急便』を被災地で無料巡回上映 突然の停電で発電機上映も 大人も子供も大歓声
東日本大震災の被災地で、映画『となりのトトロ』『魔女の宅急便』の無料巡回上映が行われていたことがわかった。これは、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンの要請に、スタジオジブリが応える形で実現したもので、スタジオジブリは、同巡回上映の開催にあたって、DVD、映写機、スクリーンなどの機材一式を提供。スタジオジブリのスタッフも共に避難所を巡回し、トトロが描かれた色紙を一人一人にプレゼントしたという。
『となりのトトロ』『魔女の宅急便』の上映は、4月7日から20日までの14日間で宮城県気仙沼市、南三陸町、岩手県陸前高田市、大船渡市の16か所の避難所を巡回。8日に訪れた気仙沼高校での上映では、前夜の余震による停電で、急きょ持参した発電機を使っての上映になるなどの困難もあったが、体育館のフロアに広げられた100インチの大型スクリーンで上映されるスタジオジブリの傑作に、正面に陣取った子どもたちはもちろん、毛布の上で休んでいた大人も時折歓声を上げながら上映を楽しんでいたそうだ。
同巡回上映は、避難所となっている学校などが再開したことから、20日に一度活動を休止している。ピースウィンズ・ジャパンは、今後の活動については検討中としているが、学校の再開により、上映再開の見通しが立たないというのは、うれしいニュースでもある。サツキとメイ、そしてキキの活躍は、被災地の子どもたちにとって、また大人たちにとっても、つかの間の安らぎとなったことだろう。(編集部・島村幸恵)