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田中実さん、自殺の前日に担当マネージャーと電話で会話 撮影現場に姿を見せず 母親が遺体を発見

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優しい笑顔が印象的でした。田中さん、安らかに……
優しい笑顔が印象的でした。田中さん、安らかに……

 俳優・田中実さんが、死の前日の25日、担当マネージャーと電話で会話していたことが、田中さんの所属事務所オスカープロモーションへの取材によって明らかになった。田中さんは、昨日、予定されていた撮影現場に姿を見せず、不審に思った担当マネージャーと母親が田中さんの自宅を訪れたところ、首をつった状態で発見され、搬送後に死亡が確認されたという。

 田中さんは、自身のオフィシャルサイト「トキトトキ」で、2月からブログを開始。1月から新しい事務所に移籍し、生まれて初めて挑戦したブログは、「初めまして 田中実です」との書き出しから始まった。まさに心機一転のスタートで、ファンからコメントが寄せられると、翌日には「こんなにもたくさんのコメントをいただけるとは」とうれしそうな文章をつづっていた。

 田中さんは、仲代達矢が主宰する「無名塾」出身の実力派。死の1か月前に、共に青春を過ごした無名塾時代の仲間と再会を楽しんだばかりだった。3月10日のブログでは、「当時の仲間と、先日久しぶりに会いました 密度の濃い時間を過ごしたせいか、会った途端に昔に戻ってしまいました。良い時間でした。」と、当時の仲間と再会した喜びを、青春時代をなつかしむかのような長文のブログで報告していた。

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 それから約1か月後の死は、あまりにも突然だった。田中さんが所属しているオスカープロモーションによると、前日にマネージャーが電話で話をしたときも、「本当に変わったところは何もなく、普段通りでした。最近の様子も、いつもどおりにドラマの撮影をしていたので……。スタッフ一同、本当に驚いています……」とショックを隠せない様子だった。そして翌日、仕事場に現れなかった田中さんを心配して自宅を訪れた関係者が発見したのは変わり果てた、田中さんの姿だった。

 数々のドラマで活躍した田中さんを思い出すと、温かい笑顔と誠実そうな姿が浮かぶ。「刑事貴族2」での真面目で一直線な原田刑事、第5シリーズまで続いた人気ドラマ「温泉へ行こう!」では、主人公の薫を優しく見守る支配人の武藤……、人柄がそのままにじみ出ているような役柄が多かった。

 真面目で優しい、そんな田中さんの性格はブログからも伝わってきた。3月6日にWOWOWで放送された「再生巨流」に出演した際は、ドラマのストーリーに触れ、「挫折した人間が自己再生の為に戦う。人を再生させるものって何なのですかね~。(原文ママ)」と自問し、「本当に心が弱っている時は、やっぱり 人かなぁ。弱っている時は人に会うのも辛いのでしょうが、それでも ふと、周りに家族や友人が…仲間が居る事に気づいて、想いに包まれ、癒されて行くのかなぁ(中略)温かいコメントを下さる皆様に、僕は癒されています。」と感謝の想いをつづっていた。

 最後となったブログは、「空を見上げて考え続けたい」という言葉で締めくくられた。昨日、東京は雲ひとつない青空が広がっていた。個人が抱える問題、悩みの大きさはその人自身にしかわからない。温かなコメントを寄せるファン、仲間たちに愛されていた田中さんが、なぜ自ら死を選んでしまったのか、無念で仕方がないが、今は、ただ、彼の遺したあの優しい笑顔に思いをはせ心からご冥福をお祈りしたい。(編集部・森田真帆)

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