3Dアニメ映画『ブルー/初めての空へ』が2週連続全米第1位!-4月25日版
全米ボックスオフィス考
今週末は復活祭(イースター)だったアメリカでは2,632万ドル(約22億3,720万円)をたたき出した3Dアニメ映画『ブルー/初めての空へ』が2週連続ナンバーワンの座をキープした。(1ドル85円計算)
先週と比較すると32.9パーセントの収益減ではあったものの、老若男女が楽しめるこのアニメ作品は、公開後10日で8,081万ドル(約68億6,885万円)の総合収益を上げており、ジョニー・デップが声の主演を務めたアニメ映画『ランゴ』 、日本では8月公開予定のアニメ映画『イースターラビットのキャンディ工場』の記録した公開後10日間での収益を追い抜く成果を見せている。『ブルー/初めての空へ』の売り上げは、鑑賞券の単価が高くなる3D公開であることも追い風となり、総合収益の57パーセントが3D上映館からの売り上げと発表されている。
今週第2位は2,507万ドル(約21億3,095万円)を記録した映画『タイラー・ペリーズ・マディアズ・ビッグ・ハッピー・ファミリー(原題)Tyler Perry’s Madea’s Big Happy Family』。日本では無名に近いタイラー・ペリーだが、アメリカの特に黒人層に大人気で、本作は長期的にシリーズ化されており、マディアおばさんシリーズのみに絞ると3作目ということになる。タイラーは映画のほかにもテレビコメディー製作・監督そして出演者としても大人気で、ハリウッド業界内で最も成功しているクリエイターの1人だ。
続いて今週の第3位は、こちらも初登場で映画『ウォーター・フォー・エレファンツ(原題)/Water for Elephants』で1,684万ドル(約14億3,140万円)。映画『トワイライト』シリーズでバンパイアのエドワードを演じて人気者となったロバート・パティンソンと、リース・ウィザースプーン主演のラブ・ストーリーで、映画『イングロリアス・バスターズ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞して時の人となったクリストフ・ヴァルツがガッチリと脇を固めている。この作品は、ロバートにとって『トワイライト』シリーズ以外の主演作品となり、以前公開された映画『リメンバー・ミー(原題)/Remember Me』はイマひとつの入りだったが、『ウォーター・フォー・エレファンツ(原題)/Water for Elephants』の成績はそれを上回る結果となっており、これから先ロバートがハリウッドで本格派俳優としてどの程度までレベルを上げられるかに興味が集まっている。
第4位は、『イースターラビットのキャンディ工場』。週末がイースターだったこともプラスになって先週の売り上げから13.7パーセントアップを記録。しかし残念なことに、収益1,219万ドル(約10億3,615万円)を記録したにもかかわらず、総合ランキングではトップ3維持ならず惜しくもワンランクダウンで第4位となってしまった。とはいうものの、同作品は公開後24日にして総合収益1億万ドルの大台を突破し、これで『ランゴ』の現時点総合収益1億1,952万ドル(約101億5,920万円)、そしてアダム・サンドラー、ジェニファー・アニストン主演のラブコメ映画『ジャスト・ゴー・ウィズ・イット(原題)/Just Go With It』の1億260万ドル(約87億2,100万円)に続き、今年度に収益が1億ドル(約85億円)を突破した3本目の作品となった。
トップ5の最後は先週第2位から3ランクダウンし、収益も約62.4パーセント減という急降下の映画『スクリーム4』で703万ドル(約5億9,755万円)。本作は、映画『スクリーム』シリーズ2回目の週末の降下率が一番ひどく、ひょっとするとシリーズの劇場公開版はとりあえずこれにて終了という可能性ありである。
さて次回のトップランキング予想だが強力なデビュー作品が見当たらず、またもやボックスオフィスのスランプが懸念される。新作で上位登場が期待できる作品は、あえていえば柳の下の5匹目(!!)のドジョウを狙う映画『ワイルド・スピード』シリーズ5作目となる、映画『ワイルド・スピード MEGA MAX』がある。ヴィン・ディーゼルやポール・ウォーカーの常連らに加え今回はザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが登場。シリーズ5作目ともなるとファンも食傷ぎみになり、ランキング上で初っぱなからガス欠状態ということにもなり得るが、果たしてどこまで健闘できるか?(文・取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)