日本の『アバター』はトラウマになるほど狂気!?『告白』の橋本愛が強烈な欲望を持つ主人公を熱演!!
30日、シアターN渋谷にて、山田悠介の小説をモチーフに映像化された映画『アバター』の初日舞台あいさつが行われ、主演を務めた橋本愛、坂田梨香子、水沢奈子、指出瑞貴、大谷澪、増山加弥乃、清水富美加、そして和田篤司監督が登壇。想定したターゲットとは違う!? 観客に突っ込みを入れた。
主演の橋本は、映画『告白』で殺害されてしまう学級委員長という難役に抜擢(ばってき)されたことで印象に残っているが、今回も地味でさえない立場から、学園の女王へと変貌していくという役柄を鮮やかに演じている。「わたしの役は高校生で、しかも惨劇のきっかけとなったのは携帯電話という、身近なものです。設定は非現実なものですが、現実の怖さを感じていただけたらうれしいです」とあいさつ。
同世代の女の子たちが多い現場だったので、にぎやかな雰囲気で撮影は行われていたようで、坂田や水沢、清水、大谷などが壇上でガールズトークを展開すると、和田監督は「僕は学校の先生のような立場でしたね。いるでしょ? 慕われてない先生って」と自虐的な発言。会場からは笑いが起こる。
また「(過激なシーンが多い内容なので)公開されるか不安だったので、無事初日を迎えられてうれしいです。(原作者の)山田先生は、中高生に人気のある方なので、中高生のトラウマになるぐらい、怖い作品にしようと思いました」と和田監督が映画に込めた思いを語ったが、会場を見渡すと苦笑いのあと一言。「この会場にはターゲットの人たちがいませんね」。会場を見渡す橋本をはじめとする登壇者。たしかに場内には、年齢層が高めで、中高生らしき人はほとんどいない。橋本の「確かに中高生はいませんね……」というコメントに場内は大爆笑に包まれた。
本作は、独特な世界観で中高生を中心に人気を博している作家・山田悠介の同名小説を橋本愛ほか、フレッシュなキャストで映画化。インターネットコミュニティ上で自分の分身となるキャラクター、アバターに翻弄(ほんろう)されるあまり、現実と仮想との境界線を奪われ、欲望と狂気に支配されていく女子高生たちを描いたサスペンス・ホラー。(磯部正和)
映画『アバター』はシアターN渋谷で公開中