21世紀に『E.T.』の感動再び!スピルバーグ&J・J・エイブラムスの『スーパーエイト』の極秘映像公開
スティーヴン・スピルバーグと「LOST」のJ・J・エイブラムスが初タッグを組んだ極秘プロジェクト映画『SUPER8/ スーパーエイト』のフッテージ上映会が行われ、いまだ全ぼうは隠されたままである本作の内容が、一部明らかになった。エイブラムス監督がスピルバーグ作品にオマージュをささげたという本作は、映画づくりに夢中な少年たちの青春とSFミステリーが混然一体となったジュブナイル・ファンタジーだ。
本作は、現在公開されている予告編から推測できる情報のほかは一切が謎のベールに包まれている極秘プロジェクトとして制作されている作品で、詳細に関しては今回が初披露。公開されたのは物語の序盤、主人公の少年ジョーが真夜中にこっそりと家を抜け出して映画撮影に向かう場面。このシーンに立ち込めているワクワク感は、子どものころ、大人たちに見つからないよう、こっそりと真夜中まで起きていたことのある人ならば、誰しも覚えがあるはず。興奮を抑えることができず、思わず大きな声でばか話に興じてしまうあたりは、修学旅行の夜に似ているかもしれない?
だが、そんな『スタンド・バイ・ミー』のような雰囲気は、少年たちが撮影中に駅でトラックと貨物列車の衝突事故を目撃した瞬間から一転、サスペンスフルなSFミステリーの様相を帯びてくる。脱線した貨物列車は絶えずUFOとの接触がうわさされる空軍基地「エリア51」からやってきたもので、車体には「アメリカ空軍」の文字が。偶然にも映画撮影に使われていたカメラが事故の一部始終をとらえていたことから、少年たちも事件に巻き込まれることになる……。わずか20分程度の映像でありながら、燃え盛る事故現場から逃げ惑う子どもたちの姿や列車から逃げ出した“何か”が街中にはこびっている様子は迫力満点。キャスティングでは、あえて演技慣れしていない子どもたちを選んだとエイブラムス監督は語っており、そのことも「少年少女の冒険もの」という本作の雰囲気を盛り上げるのに一役買っていることがよくわかる。
映画『E.T.』『グーニーズ』『未知との遭遇』といった1970年代から80年代のスピルバーグの監督・プロデュース作品にオマージュをささげたというだけあって、本作にはそれらの作品と共通するノスタルジックな雰囲気にあふれている。『E.T.』が「離婚家庭で苦しむ少年の話」と「SFファンタジー」を融合させた作品であるのと同様、本作も「8ミリカメラ(スーパー8)に夢中な少年たちの青春」と「エリア51をめぐるSFミステリー」というエイブラムス監督がかねてより温めていた二つのアイデアを一つの映画にしたことが明かされている。徹底した秘密主義を貫くことで知られるエイブラムスが監督を務めているだけあって、本作は公開まで一月余りとなった現在でも、おぼろげなストーリーしか公式には発表されていない。だが、今のところはそのことが逆に観客の期待を高める効果を発揮しているようで、海外サイトでは早くも、真相や、どのような話になるのか、といった話題で盛り上がっているところもある。ようやく幾重に巻かれたベールの一つがはがされた本作。公開が待ち遠しく思う人はきっと多いはずだ。(編集部・福田麗)
映画『SUPER8/ スーパーエイト』は6月24日より全国公開