マーベル・ヒーロー強し!『マイティ・ソー』が2週連続ナンバーワン! 5月16日版
全米ボックスオフィス考
先週から47.2パーセントの収益減とはいえ3,470万ドル(27億7,600万円)をたたき出した映画『マイティ・ソー』が、今週も再び全米トップの座を勝ち取った。(1ドル80円計算)
封切り10日目にして1億1,946万ドル(約95億5,680万円)という収益を上げ、近年公開された夏のコミック・ヒーロー大作映画『アイアンマン2』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』と比べても2週目の落下度が低く大健闘中である。また、映画『インクレディブル・ハルク』『タイタンの戦い』と比べると公開から10日間の総合収益は、この時点ですでに上をいっておりこのままのペースで進めば、最終的には国内での収益が2億ドル(約160億円)まで上るものと分析されている。
さて前回もお伝えしたように全米ボックスオフィスは結婚式シーズンがたけなわで、今週もウエディング・コメディーが上位に登場した。映画『ブライズメイズ(原題)/Bridesmaids』が予想を大きく上回る2,625万ドル(約21億円)を稼いで初登場第2位となった。この映画は人気テレビコメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ」の人気コメディエンヌが出演しているが、番組に出てくる既成キャラを使った作品ではない。だが、以前に同様の状況でヒットしたウィル・フェレル出演映画『アダルト♂スクール』を超えるヒットとなっており、「サタデー・ナイト・ライブ」の優秀な卒業生であるウィルの映画を超える成績とはかなりの快挙である。
なお、配給のユニバーサル・ピクチャーズの観客調査によると、言わずもがな女性客が半数以上を占めて67パーセント、そして63パーセントが30歳以上の観客だったという結果が出ている。
第3位は、先週から37パーセントの降下率で2,044万ドル(約16億3,520万円)の映画『ワイルド・スピードMEGA MAX』。映画『ワイルド・スピード』シリーズの中で最高の収益を記録し、第5作目にしては異例の2億ドル(約160億円)突破もあり得るということで国内はもちろん、世界中でも爆走中だ。
代わって第4位は、初登場ながら封切り3週目の映画『ワイルド・スピードMEGA MAX』に屈してしまった新作アクション・ホラー映画『プリースト』。バンパイア・ブームが薄れているに加え、ストーリーのつかみどころがないあいまいなPR作戦がアダとなったようだ。また、業界内の話を総括すると、『プリースト』がターゲットとしている若い男性客は、現在のところ『マイティ・ソー』と『ワイルド・スピードMEGA MAX』に流れてしまっているという状況も追い打ちをかける形になった。
トップ5の最後は、まだまだ頑張っている映画『ブルー/初めての空へ』で828万ドル(約6億6,240万円)。先週からたったの3パーセント弱の収益減と、スタミナ王である。土曜日の時点で映画『ランゴ』の総合収益を抜いて、現時点で今年一番のアニメ映画となった。
来週のチャート予想だが、これはもう間違いなく映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』がトップを飾るとみてよさそうだ。スタジオはシリーズの前作が終わってからすでにPR作戦を始めているようなもので、ジックリ念を入れた広報作戦を展開。今年に入ってますますヒートアップしており、今週末に待望の公開といった感じだ。
さすがにパイレーツ公開のウイークエンドは、どのスタジオもジャック・スパロウに恐れをなしたか、ほかにこれといった話題作がない。次回のランキングは海賊たちの独走になりそうな予感である。(文・取材ロス: 明美・トスト/Akemi Tosto)